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□えまさまより頂いた小説です
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「魏の貴方達が趙雲将軍を狙っている事は知っていましたが、まさか我々呉と同じ日に趙雲将軍を誘拐しに来るとは…」
誤算でしたよ、っと笑みを浮かべながら双剣を抜いた陸遜の頭上で再び天井が崩れて、男が二人落ちてきた。
「いってーっ!!凌統、どさくさに紛れて蹴りやがったな」
「さあ?って、ゆーか二人一度に飛び出るのは無理だって言ったろ!!甘寧が押すから格好悪い登場に…凹」
「うるせー!お前が後から出れば良かったんだよ」
…ここでもまた喧嘩が始まった。
敵ではあるが、世話焼きの性分が騒いで夏侯惇が仲裁しようとしたその時、凌統と甘寧の下で閃光が瞬く。
−−−−−−真・無双乱舞発動!!−−−−−−
…下敷きになっていた陸遜がキレた模様だった。
巻き添えを喰って、夏侯惇も一緒に吹き飛ぶ。
「こら元嬢!!はしゃぎ過ぎだぞ」
曹操が言う。
「そんなにはしゃいでも、趙雲は私のものだから貸してはやらんぞ…」
「狽ィい子桓!?いつの間にお前のものになったのだ!!」
>すかざず曹丕に曹操が突っ込んだ。
「そうそう、そこの眠り姫さんは俺達が頂くんだっつーの!!」
軽く汚れた衣服を払いながら凌統がびしっとポーズを決める。




視界はまだ閉じられていて真っ暗だったが、先程から声だけは聞こえていた。
馬超はぼやけた頭を覚醒させようとゆっくりと呼吸する。
陸遜が言う通り、何故魏と呉が同じ日に子龍を狙いにきたのか。偶然とは恐ろしい。
しかも、本日は自分も子龍を…何て、思っていた矢先の出来事であって、何とも笑えない偶然の一致である。
だが、今自分がここに居る事は好機だと思わなければ…絶対に子龍を連れさられる訳にはいかない。
馬超は痛みが走る体を震えながら起こした。


「一体何の騒ぎですか…」
また新たな訪問者が二人。蜀の丞相諸葛亮と、姜維だった。どうやら目を覚ました趙雲邸の使用人が呼んできたらしい。
「うわぁ、何か勢揃いしちゃってますねぇ〜!!丞相」
緊張感の無い声で姜維が言う。
「全くですね。しかも、魏の方々に関しては総大将が二人も揃って…きっと今頃、司馬懿殿に国を乗っ取られてますよ」
「あはは、言えてますね。ガラ空きじゃないですかぁ〜」
何だか姜維は楽しげだった。
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