屍的、人生の送り方

□番外 弐
1ページ/1ページ






「なぁ、…私のこと好きか?」





聞いてくる彼は、可愛い年下の忍者のたまご。

ココに来てから、私は毎日のように彼に質問される。そして、いつも決まった言葉を返す。



「えぇ、愛していますよ。ほら、授業が始まってしまいます…」



そう言うと彼は決まって、頬を膨らませて文句を垂れ、渋々教室に戻って行くのが日常。


可愛い姿を見てしまうと、どうにも困る。私が悪いことをしてしまったかのように、罪悪感が…。



「やっぱり、他に好きな奴がいるんじゃないのか?」

「そんなことはありませんよ、皆好きですから」

「そういうのではなく、もっと、こう、…だぁー!!」



もういい、と声を張り上げ、やっぱり教室に戻って行く。


そんな後ろ姿に、愛してるのは七松さんだけですよ、と言ってみると、嬉しそうに手を振ってくれた。そういうことをするから、愛してしまうんだよ。


でも、私は萌えと平和を愛する人間だから、『貴方だけ』なんて、嘘。彼には教えてあげないけどね。



「ズルイ人、…悪女気どりですか?」



いつ間に隣にいたんだ、鉢屋さん。

さり気なく酷い言われようだったので、文句に一つでも返そうかと考えたが、やめにした。自分が彼に何か言って勝てるような、口達者な人間ではないと分かっているから。



「違いますよ、私は博愛主義者なんです。愛でるモノは多い方がいいじゃないですか」

「じゃあ、私のことも愛でているんですか?」

「はい」



簡潔に答えると、微笑んでデコピンをくれた鉢屋さん。痛いですね、すっごく。



「特別な愛をくださいよ、そうしたら私も、貴女を愛でてあげますから」



それだけ言って帰ってしまった。何で、私に愛でられたいのか分らないけど、『特別』はまだ誰にも譲れないね。すべての萌えを愛しているからね。

洗濯物を畳みながら考えることがたくさんで、私はこの日常を気に入っているような気がする。萌えに囲まれて、のんびり一日を過ごす。ニートな私を慕ってくれる人が傍にいるというのは、良いことだ。



「さぁ、午後は誰が来てくれますかね…」



部屋への訪問を期待しつつ、また、家事手伝いを再開する。

死んで、室町時代にやってきて、ニートになった私は幸せものですよ。











「そんな日々は如何でしょうか?」



貴女だったら、どうしますか?

私は楽しむよ、この日常が来てしまったのは、運命だと信じるからね。








短い!意味わからん!


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ