おお振り短編
□愛してる。
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愛してる。
「ごめん、もう終わりにしましょう。こんなことは」
キミから聞いた最後の言葉。俺たちの終わりを知らせる言葉。
俯きキミから紡がれる言葉を聞いた。涙が出ないように唇を噛んで堪えた。
「さようなら、好きだったよ。ありがとう」
キミは俺を最後まで見てはくれなかった。振り返ることもせず俺の視界から消えてしまった。なんで、俺はこんなにも苦しいんだろう。彼女は最初から俺を見ていなかっただろう、傷つくなんて遅すぎだ。
「なんで、俺じゃだめなんだ…。なんで、あいつなんだ」
キミは卒業したら海外に行くと言っていた。これが本当に最後の言葉。
最後にキミは好きだった、と言ってくれた。あの言葉は本物だったのだろうか。
俺はこの感情と共に死んでしまった気がする。
あぁ、本当にキミのことを愛していたんだ。
アイシテル。
愛死テル。