おお振り短編

□残酷な神に呪を吐く
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悲しい。あの人に嫌われてしまった俺が。

なんで、言ってしまったんだろう。「好き」と。

言わなければ、俺はあの人のことを想っていられたのに。

こんなことになるなら俺はずっとあの人の友でいたかった。


「ごめん、キミがそんなこと思ってたなんて思わなかったから…」


謝るぐらいなら俺のモノになってくれよ、あんな奴のことなんて忘れてさ…。


「もう、キミに迷惑は掛けられないね。私のことは忘れて、恋や愛なんてモノ私に感じることはないよ。それは、友情だよ、勘違いなんだ。だから、忘れて…バイバイ、阿部」


なんで、あいつがこの人の思い人なんだ。俺の方が大切にできるし、幸せにもできる。

なのに、なんで榛名元希なんだ。

現にこの人は今も泣いている。




あぁ、神さま。

なんで、アンタはこんなにも残酷な道を俺に辿らせるんだ?

なんで、あの人を不幸にしてしまうんだ?

なんで、あいつには何もしないんだ?






残酷な神に呪を吐く




(なぁ、聞いた?)
(何をだよ)
(榛名さん、事故で意識不明になってるって)
(!?)
(あっ、あと榛名さんの元カノが2年にいたじゃん、阿部仲良かったよな?)
(…それがどうしたよ)
(榛名さんが事故に遭う前の日に死んだって聞いたけど…知らなかった?)
((あぁ、本当に別れを告げられたのか、俺は…))





阿部くんにはリンドウの花をプレゼントしたいね




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