Main
□変わらない時間-トキ-
2ページ/3ページ
「大丈夫ですか…?」
「馬鹿…お前、意地悪すぎ…」
この人があまりにも可愛い過ぎて、俺の理性や自制心は役に立たない。
かといって加減出来ないと…
「ったく…明日の部活どーすんだよ…」
「…すみません、宍戸さん。」
ただでさえ俺より華奢な身体で受け入れてるせいで、当然腰が立たなくなってしまう。
「明日は1日俺が面倒みますよ。だから安心してください」
俺は優しく言い聞かせてから、その不機嫌そうな顔に近付いて口付けを落とす。
「ん…っ……馬鹿…当たり前だろ…」
俺が解放すると真っ赤になって俯く。照れている時はいつもこうだ。
…そして……
「……んー……」
貴方は眠くなると少し不機嫌そうに小さく唸る。
…髪を切って幼くなった外見が、この時は中身まで小さな子供のようで微笑ましい。
「少しなら寝ても良いですよ。お風呂はその後で一緒にはいりましょう。」
少しだけですよ、という俺の言葉が終わる頃には、もう眠気があの人に押し寄せている。
「……ちょ、たろ…」
これも無意識なのだろう。俺の手を弱く握るとそのまま眠りに落ちてしまう。
「…おやすみなさい…」
いつもと変わらない貴方。
変わらない癖。声。表情。
でも、人は少しずつ変わって、成長していく…。
……このまま、時が止まってしまえば良いのに―――。
next→アトガキ