SP

□雪めぐり
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「寒っ…」

白銀のに染められた街を歩く1人の人影。赤いマフラーを首に巻いて、銀色の髪を揺らしながらゆっくりと歩いていく。

「…やっぱ、クリスマスとなると賑やかだな」

周りを見渡すと街の子供達は雪に喜び、はしゃぎながら駆け回って、とても楽しそうにしている。また、恋人達は仲良く会話をしながら寄り添っていたり、手を繋いでいた。

「…そんなことより早く家に戻らねーと…。俺のケーキが消える!」

そういってスピードを上げたのは、万事屋を営む坂田銀時だった。

クリスマスである今日、依頼が入り1人で片付けて来たのだろう。

家では新八という眼鏡の少年と、神楽という中国をイメージさせるような服装の少女、そして定春という大きな犬が留守番している。

ところで何故ケーキが消えるのかというと、依頼を片付ける為に家を出る時…
『あんまり遅くなったら銀ちゃんのケーキ、私が貰うネ!』
と神楽に言われたのだ。

新八ならともかく神楽は絶対に数秒で完食するだろうと心配で仕方がなかった、もちろん甘い物が好きな銀時にとって、大切なケーキを誰かに食べられることは絶望以外に有り得ない。
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