涼宮ハルヒの憂鬱

□HUG YOU
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「僕だってもう嫌だ」
「分かってるよ古泉」
「毎日毎日笑顔で涼宮さんに対してイエスマン」
「そうだよね、疲れたね」
「僕だって普通の高校生活を送りたい」



そこまで古泉が言ったところで私は古泉をぎゅっとだきしめた。古泉は、震えていた。それに気づいて私は馬鹿みたいに腕にいっぱい力を入れて古泉の体をまたぎゅうっとだきしめて古泉がいつもしてくれるみたいに背中をぽんぽんと摩る。
「このくらいしかしてあげられなくてごめんね」
背中を摩りながら呟いた。この人は機関の人間だとか、超能力者である前にただ一人の人間なのだ。人並みに欲求だって苦悩だって煩悩だって抱えてる。カマドウマを倒せたりするからってそれ以外は私みたいな子供と何もかわらないのだ。そこまで考えて私は苦しくなっていつまでたっても泣くのを我慢して震えている目の前の愛しい人の変わりに泣いた。

「古泉、アタシ古泉の事好きだからね」
「古泉、アタシ古泉の事分かってるからね」



HUG YOU

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