涼宮ハルヒの憂鬱

□みずたまのしみ
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※死ネタ・故泉・嘔吐表現注意!※
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雨が朝から降っていた。私の部屋は真っ暗になっていた。隣に居るはずの彼がいなかった。いつもなら私より先に起きているはずの彼が居なかった。ベットの隣のスペースは空だった。

「…いつ、きぃ?」

ギイ、とスプリングが音を立てて唸る。いつもならハイ、とやってくる笑顔が来なかった。私はそれに少し不安になった、いつきどこ?出かけたの?閉鎖空間がまたでたの?とりあえず彼を探そうと私はベットから降りた。ぺたり。冷たい床の感触が足裏を伝って私の体全体に行き届く。ひやり。いつもよりなぜか感覚が敏感になっている、つめたいさむいつめたいさむいつめたい。寝室を見渡しながらもう一度「いつき」と呼んだ。でも反応はどこからもなかった。なので次はもう一度、寝室の扉を開ける時「いつき」とまた呼んだ。やっぱり反応無し。でもその代わりに私の前に何かが見えた。

「……………な、に これ 」

細身の、彼の、その、体が、天井から下がっていた。だらりと力なく天井から続くロープにさがっていた。「なんで さがって いる、の」声を掛けても反応がなかった。ああそっかそうだよね。いつきは死んでるんだもんねだから足元に遺書みたいなものもあるんだよね、「死んでる?」
そう自分の脳が認識した瞬間体の力が抜けて私はその場にへなへなと力なくしゃがみこんだ。目の前にある彼の変わり果てた姿を見て涙が出てきた。不思議な事に嗚咽はなく、涙しか出てこない。ボタボタと私のTシャツに涙は落ちてしみを作り出す。涙が出てきたかと思えばいきなり腹の辺りが気持ち悪くなり
逆流する感覚。胃から何かが逆流して戻ってきた。ゲホゲホ、と小さく体を揺らして床にぶちまけた。液体はそのまま彼の足元まで流れた。出しても出しても不快感は治まらなかった。



ハァ、ハァ、と崩れた息が口先から漏れる。口端から垂れた胃液を指で拭う、指で触れ
た唇は嘔吐物のせいで濡れてふやけていた。ふと、目の前にある鏡が目に映った。鏡には一樹と私が映っていた。「ははっ…あはははははは!!」鏡に映った可哀想な2人を見て私はふと自殺願望が生まれた。


みずたまのしみ
(かわいそうなのでまたみずたまのしみがふえました)

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