ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□アリアナ沖海戦
(前編)
1ページ/8ページ

2005年

7月1日

15:45時


グリーメイア領海
グリミア海
アリアナ沖


CG-18
イージス巡洋艦
レイクウッド


鳴り止まない警報と、艦内を走り抜ける複数の足音

『総員戦闘配置!
総員戦闘配置!!』

艦内には副長の叫び声がこだまし、それに急かされたクルー達が走り回っていた

「敵編隊進路変わらず。
乱数加速のまま接近中です。
方位ゼロ・エイト・ゼロ。
高度6000フィート。
距離80000。
照合データ無し。
例の無人戦闘機と思われます」

「全力で迎撃するまでだ。
ヴェア・ヴォルフの艦載機射出完了までの時間を稼ぐ。
対空戦闘準備急げ。
SAM発射用意」

星が二つ。
中佐の階級章をつけた軍人がCICに鎮座し、報告された情報に答えを出す。
報告した大尉は、その答えを部下に伝えた

「前甲板VLS。
1番から8番。
データ入力。
イルミネータデータリンク」

「前甲板VLS!
1番から8番!
イルミネータデータリンクよし!
オールグリーン!」

彼の部下は目の前の計器を操作し、垂直発射装置に収められたミサイルと誘導装置に、目標の諸情報を入力。
ミサイルの発射準備を整える

「発射」

「発射!」

レイクウッドのVLSが解放され、中に収められていたミサイルが一斉に打ち出される。
八発のミサイルは轟音と白煙を引きずり、目標めがけて飛翔していく

「SAM発射。
目標に向けて飛翔中」

砲術長の大尉が、モニターに映し出された画像を確認しながら艦長に報告する

「水上レーダー感!
敵艦隊捕捉!
艦影……20!?
大艦隊です!!」

レーダー画面にかじりついていたクルーが吠え、敵艦隊捕捉を全クルーに伝える

「艦対艦ミサイル発射用意!
各艦に伝達!
対空・対艦戦闘用意!
艦隊!
輪形陣にシフト!
ヴェア・ヴォルフを守る!」

レイクウッドがヴェア・ヴォルフの右舷につき、左舷のイージス駆逐艦とフリゲート達も移動を開始する。
蒸気と共に射出されていくF/A-18Eと、遥か彼方に生まれる複数の光。

タイムラグの後、小さな爆発音が艦隊に到達する


「四機ダウン!
引き続き四機が接近中!
……!
敵機!
ミサイル発射!!」
クルーの怒号が響き渡り、CIC内のクルー達が一斉に計器を操作し始める。
レーダー画面には、刻一刻と接近するミサイルと四機の影が映り込み、クルー達の表情を強ばらせていく。

艦長であるシモンズ中佐は、そんな中にあっても冷静であった

「短SAM。
およびRAM発射準備。
敵機とミサイルを迎撃する。
短SAM発射急げ」

冷静なシモンズ中佐の声が、砲術長とクルー達を動かしていく

「短SAM!
前甲板VLS!
18番から22番!
データ入力!
イルミネータデータリンク急げ!
短SAM発射と同時にRAM発射用意に移れ!」

「18番から22番!
データ入力!
イルミネータデータリンクよし!
オールグリーン!」

別のクルーが砲術長に吠えた

「RAM発射に移ります!」

クルーの声を聞いた砲術長は、襟を直しながら声を発した

「…発射!」

「発射!」

クルーが復唱すると同時に、VLSから次々とミサイルが発射されていく。



別のクルーがコンソールを叩きつけ、無駄な動きをする事なくRAMの発射準備を行う。

炎と白煙を吐き出し、轟音と共に飛翔して行くミサイル。

その下では、甲板に設置された21連装発射機が、ミサイルが飛翔して行く方角に向けて回頭する


「データリンクよし!
RAM発射用意よし!」

「RAM発射!」

クルーが砲術長の命令を復唱する

「発射!」

同時に四発のRAMが発射され、接近中の対艦ミサイルめがけて飛び出して行く

「CIWS起動。
迎撃用意!」

シモンズ中佐の声がCICにこだまし、すかさず砲術長が吠えた

「CIWS起動!
迎撃用意!」

「CIWS起動!」

クルーが砲術長の命令を復唱する。

レイクウッドのファランクスが一斉に旋回し、来るべき対艦ミサイルの脅威に備える

「ECM開始。
チャフ。
フレア射出用意急げ」

直後に生まれた三つの爆発光。
短SAMが接近中の敵機を撃墜したのだ

「ECM開始!」

「チャフ!
フレア射出用意よし!」

クルー達が一斉に動き始める。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ