ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□若者が見た空
1ページ/11ページ

2005年

7月5日

12:15


カレナ公国東部
エーリンゲン基地


『諸君。
良く聞いて欲しい。
我々は本日13:00を持って、カレナ公国空軍の戦闘航空団として戦争に参加する。
これはハーメル閣下直々の命令だ』

居並ぶグリペンCとパイロット達。
そのパイロット達は、まだ顔に幼さが残る少年達。
つまり少年兵だ。
その少年兵達を前に、拡声器を持った少将が壇上から言葉を続ける

『先にも述べた通り、我がカレナ公国空軍航空兵器学校は、第35戦闘航空団として祖国の為に立ち上がる。
生徒諸君。
繰り返し言い続けた事だが、良いパイロットとは生き延びれるパイロット。
つまりパイロットの仕事は敵を倒し、そして生き残る事である。
私達は君達が生き延びられる様に鍛え上げ、生き残る為に戦い抜ける力を与えたつもりだ。
公国の未来の為、全力で戦い抜いて欲しい。
しかし……
諸君らは若い。
そして諸君らが未熟だという事も承知している……
だが我々が、公国が生き延びる為には、諸君らの力が必要だ。
諸君らの健闘に期待したい。
私達が諸君らに与えた力を見せて欲しい。
以上だ』

「アハトゥンク!!」

老練な教官の号令で、少年兵達が一斉に彼の方向に体を向ける

「貴様らは未熟なクズ共だが、そのクズ共に頼らなければ成らない程、今の我々には力も勢いも無い!
だが我々に残された最後の力を振り絞れば、まだまだ我々には希望がある!!」

グリペンのエンジンが一斉に始動していく中、その教官は叫び声に近い怒号を発し続ける


「貴様らの任務は制空戦と進撃する我が軍への航空支援!!
これは実戦だ!!
全てのミスは死に繋がる!!
仲間の同級生の生死は貴様ら一人一人の決断如何だ!!
貴様らの腕では厳しい戦いとなるだろうが、それぞれ小隊長の指揮に従い任務を全うせよ!!
総員搭乗!!
貴様らの力を見せてみろ!!」

少年兵達が一斉に自分達の愛機に掛けて行き、素早くタラップを登り、コックピットに滑り込んで行く。
その先にある恐怖と絶望など、未熟な彼らは知る由も無かった………。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ