ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□旅立ちの空
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中尉に別れを告げた俺達は、それぞれの愛機に乗り込む。
コックピットから見るアルヴァ空軍基地。
必ずまた此処に帰って来る。


そして心の中で決意を新たにし、俺達は機体を滑走路に移動させ、管制塔の離陸許可を待った

「なぁフランクリン。
さっきの写真は何だったんだ?」

『話せば長い。
マドラステアに着いたら話してやるよ。
それまでコックピットでムラムラしてな』

「ムラムラじゃなくてウズウズの方が近くないか?」

『細かい事は気にしない気にしない。
輸送隊の連中が離陸する』

フランクリンに言われ、俺は滑走路に目を移した。
次々と離陸して行くC-130の群れ。
その姿を確認しながら、俺はスロットルレバーに手を伸ばした

『管制塔よりハルバート隊。
随時発進位置に移動せよ』

管制塔からの指示に従い、シュライヒャー大尉機が発進位置に向かって行く
『こちらハルバート1。
発進位置についた』

『管制塔よりハルバート1。
離陸を許可する』

管制塔から出された離陸許可に従い、出力を上げながら滑走路を駆け抜けるシュライヒャー大尉機。
その姿を目で追いながら、俺はトムキャットを発進位置につける。

静かに、そして激しく唸るエンジン。
そして空気を切り裂くターボファンの心地よいサウンド。
それらを五感で感じ取りながら、俺はコックピットで深呼吸する。


そして


『ハルバート2。
離陸を許可する』

管制塔からの離陸許可を鼓膜に焼き付け、俺は静かにスロットルレバーを押し込んだ。
緩やかに加速して行くスーパートムキャット。
唸る転輪とターボファンエンジンのハーモニー。

俺はスロットルレバーを更に押し込む。

すっかり慣れてしまった縦Gも、今の俺には特別に思えた

「またなアルヴァ…
必ず帰って来る…!」

浮き上がる機体の中で、俺はアルヴァ空軍基地の光景を焼き付ける。

あのハンガー。

あの宿舎。

そしてこの滑走路

『高度制限解除。
貴機の健闘に期待する』

遠ざかって行くアルヴァ空軍基地。
この日、俺とフランクリンはアルヴァから巣立って行った………。
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