ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□ケーニッヒ
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クロイツェ山脈を西に向かい、暫くすればグリーメイア最大の軍港。
セントラルバースに突き当たる。

グリーメイアの最高峰と、カレナの最高峰を有する巨大な山脈は、北東部から南部にかけての国境としても機能している。
カレナ北東部からカレナ領内を縦断し、グリーメイアを横断するクロイツェ山脈は、その殆どを雪とタイガに覆われている。

4000m級の山々が立ち並ぶ絶景は、グリーメイアでは観光名所になっている。
グリーメイアの最高峰は、標高5860mのメルケルピーク。
カレナの最高峰は、標高6700mのエルムボルンだ

『パイソンよりヘラクレス・ワン。
メルケルピークを通過。
もう少しでセントラルバースだ。
新米達の様子は?』

『落ち着いた様子で大人しく座ってるよ。
大尉。
セントラルバースに着いたら君が率いるのだろう?』

『まぁ…な。
一人も死なせたくないもんだ…』

メルケルピークを過ぎ、俺達はセントラルバースの目と鼻の先までやって来ていた。
あと十分もしない内にセントラルバースが見えて来る筈だ。

あそこにはカレナが建設した野戦飛行場しか無かったが、野戦飛行場の規模はでかかった。

輸送機も離着陸出来たし、多数の戦闘機も配備されていた。
復旧が完全に済んでいれば、複数の航空団が運用出来る。

カレナは大きなミスを犯していた。

占領した拠点を大規模化し過ぎて、俺達が奪還した時の事を考えていなかった。
という初歩的なミスだ。


施設が巨大化すれば、それだけ破壊するのにも時間がかかる。
港湾・航空関係の施設は、全体の三割程度しか破壊されておらず、俺達が進駐した時には様々な機器や資材も残されていた。

オーシア第三艦隊の熾烈な精密攻撃が功を奏したといった所だが、カレナ側が慌てて逃げ出した事も大きい。


オーシアからの物資が大量に陸揚げされるセントラルバースは、今やグリーメイア陸軍の輸送路と進撃の起点となっている。
俺達向けにも、補充や新規の戦闘機が続々と陸揚げされている。
オーシアの物量を実感出来る場所。

それがセントラルバースだ。

クロイツェ山脈を抜け、下の風景が一気に開けた。
草原と大河が顔を出し、その大河の先に都市が見える。
また大きくなったものだ…

『SB・タワーより接近中の機へ。
着陸チェックを実施せよ。
当基地への着陸を許可する。
ヘラクレス・ワンは第二滑走路へ。
アーマナイト隊はパイソンに続けて第三滑走路に着陸せよ』

「アーマナイト・ワン了解。
アーマナイト各機。
着陸チェックを実施せよ。
第三滑走路への着陸許可が出た。
パイソンとヘラクレス・ワンを待ち着陸する」

三機からの返事を聞きながら、俺も着陸チェックを実施する。

イーグルとC-130は減速しながらギアダウンし、既にそれぞれの滑走路へのアプローチに入っていた。

C-130が降り立ち、タイヤから白煙を沸き上がらせた。
ターボプロップの重低音が辺りに響き渡り、そのままC-130はゆっくりとエプロンに向かっていく。

続けてタキガワ大尉のイーグルが第三滑走路に降り立ち、エアブレーキをいっぱいに上げて減速し、ラダー操作とエンジンの余力でエプロンに向かう。
手慣れたものだ

『アーマナイト隊。
次は君達だ。
速やかに着陸せよ』

管制官に急かされ、俺達も第三滑走路に降り立った。
ラプターは他の機体に比べて、排気音や排気熱の放出が少ない。

イーグルやC-130とは対照的に、俺達は静かに着陸していく。

そのままエプロンに向かい、エンジン出力を下げながら、整備員やらの誘導に身を任せた。
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