ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□アリアナ沖海戦(後編)
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2005年

7月1日

18:00時



ユージア大陸とベルーサ大陸を分断する大海の一つ。
このグリミア海と呼ばれる海の中でも、カレナ北西部とグリーメイア西岸に位置するアリアナ沖。
そこは今、撃ち上げられる火線と高射砲の弾幕に覆い隠され、眼下の海面には白い航跡が幾筋も交錯し、白波と水しぶきを巻き上げて軍艦達が走り回っていた。

オーシア艦隊とカレナ艦隊による、空母機動部隊同士の決戦。

ミサイルや艦載機が飛び交う戦闘空域と、爆炎が上がると同時に航走を停止する巡洋艦。
周囲に巡洋艦の残骸が飛び散り、蒼く透明な海面に白い点と水しぶきが上がる

『おのれオーシアめっ!!
エル・バスル大破!
航行不能!
エル・バスル沈みます!
第21戦隊は瓦解!
全滅です!!』

『第8戦隊!
駆逐艦マードック轟沈!
第8戦隊!
単縦陣崩れます!!』

『グリーメイア艦隊の到着はまだか!!
ユーク艦隊にも急行する様に伝えろ!!
至急電だ!!
カレナ海軍を粉砕するチャンスは今しか無いのだぞ!!』

互いの空母から距離を置き、空母の遥か前面で撃ち合う両軍の艦隊。

巡洋艦や駆逐艦。
その周囲を固めるフリゲート。

ミサイルが飛び交う更に上を、両軍の艦載機達が入り乱れる。
互いに後ろを取り合い、高速で移動する戦闘機達

『グリーメイア艦隊の識別信号と布陣についてのデータ転送を確認!
先鋒はヘンリー・ブリュワーズ中佐指揮のイージス駆逐艦ハーネル以下四隻!
その後方にヴェア・ヴォルフを含む本隊とのこと!』

通信情報艦アンドロメダから声がこだますと同時に、対空艦エクスキャリバーからも声が上がる

『対水上レーダーにグリーメイア艦隊!
識別信号を確認!
情報通りです!!』

『こちらソーズマン!
グリーメイア空軍機を確認!
方位ワン・エイト・ゼロ!
高度ナイナーサウザンフィート!
距離13マイル!
編隊を組んで接近中だ!』


雲の切れ目から現れた戦闘機達の群れ。
四機のラプターとライトニングUが先頭をつとめる大編隊。
それは見紛う事無い。
間違いなくグリーメイア空軍の大編隊だった

『来たな…!
ヒルドルヴが現れた!
全機警戒せよ!
繰り返す!
ヒルドルヴだ!
ヒルドルヴだ来やがった!
艦隊は対空警戒を厳にしろ!
連中を艦隊に近付けるな!』


オーシア艦隊は一気に攻勢をかけるべく、カレナ艦隊めがけて多数の対艦ミサイルを発射する。

オーシア海軍機との戦闘で手一杯のカレナ海軍機に、今度はグリーメイア空軍機の群れが襲いかかろうとしていた

『これ以上グリーメイアの連中に好き勝手させるな!
オーシアにもだ!
我々はカレナ公の尊厳とプライドを守る為に戦うのだ!
対艦ミサイルの掃射位で怖じ気づいてどうする!
ミサイルを迎撃しながら前進!
押し返せ!!』

カレナ艦隊も、空母を含めた全艦が弾幕を張りながら前進を開始する。
燃料が残り僅かな機や、被弾した機が次々とアングルドデッキに着艦する中、艦上のカタパルトから射出されていくF/Aー18EとFー14D。
カレナ艦隊から撃ち上げられる火線も勢いを増し、艦隊は幾つもの単縦陣に別れ、駆逐艦やフリゲートが空母の盾になるべく単縦陣を組み直す

『ヒルドルヴだ!
左翼にヒルドルヴ!
クソッ…!
四番機が喰われた!』

『援護を頼む!
誰でも良い!
早く!!』

空には幾筋もの白線が伸び、その到達点には幾つもの爆炎が生み出される。
XMAAだ

『よっしゃ…!
ハル!
あの中に突っ込むぞ!』


「よし…!
アーマナイト各機!
行くぞ!」

四機のラプターは、白い線を空に描きながら急降下。
他のグリーメイア空軍機と共に、カレナ海軍機に襲い掛かった

『アーマナイト隊が戦闘を開始!』

『負けてられるか!
行くぞ各機!』

一斉に交戦を開始したグリーメイア空軍機に、カレナ海軍のパイロット達は、身を奮い立たせて立ち向かっていく

『我々をなめるなよ…!
空軍の連中とは鍛え方も腕も違うんだよ!』

目の前を通り過ぎていったFー14Dは、瞬く間にFー2Aを叩き墜として見せる

『我々を見くびるなよ…!
本番はコレからだ!
各機!
グリーメイアとオーシアの連中に教えてやれ!
子供の遊びは終わりだとな!』

指揮官の一人が口走った途端、カレナ海軍機の動きが変わり始める。
攻撃的に。
そして冷酷に…

機銃掃射でコックピットを血糊で染め上げ、その機体に追い討ちのミサイルを叩き込むカレナ軍機。
カレナ機は、そのまま戦果拡大に入り、次々とオーシア軍機を仕留めていく。


そのまま一方的とも言えるカレナ海軍機の猛攻が始まった……
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