ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□第332戦術戦闘航空団
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「鼻息の荒い陸軍の尻拭いが主だが、これを機に空軍部隊としては、初めてカレナ領内に進出する事になる。
フランゲルドでの空戦による損害で、カレナ空軍には絶対的な制空圏を維持するだけの戦闘力は残されていが、グリーメイア方面にまで広がった戦線を縮小し、残存する航空戦力を本土防空のみに集中された場合。
それは未だに侮れない規模である。
気を引き締めて任務に当たって欲しい。
私からは以上だ」

いよいよカレナ領内に乗り込む訳だ。
第312戦術戦闘飛行中隊の指揮官。
しかもグリーメイア空軍少佐として

「編成表に記載のある飛行隊については、本日13:00にマドラステアへ移動を開始。
通達は以上だ。
質問を受け付ける」

ヘルマン大佐の通達にも、俺達はだんまりを決め込む。
上の意向に意見しても、現状は何も変わらないからだ

「あぁ…ハルド少佐。
言い忘れたが、ブリュワーズ中尉の一件については心配するな。
アーマナイト隊への補充要員も、明日にはマドラステアに到着する予定だ」

ミッチャー大佐の気遣いに感謝する。
それが今の俺にとっての一番の悩み事でもあるからだ


「心遣いに感謝します大佐。

「後顧の憂い無く戦って貰わねばならないからな。
ゲルニッツ少佐だけで無く、二人にも期待している。
質問も無い様だな。
カレナ空軍にトドメを刺すのは我々だ」

ミッチャー大佐に続いてヘルマン大佐もファイルを畳み、二人は改めて俺達を見る

「移動に備えて13:00まで待機。
13:00を持って移動を開始せよ。
カレナ軍の最新情報についは、このファイルを参照してくれ。
マドラステアに付き次第新たな情報を与える。
質問は追って受け付ける。
……解散」

二人は立ち上がり、そのまま会議室を出て行く。
会議は終わりらしい。
ベルテ中佐とアデル少佐もファイルを畳む

「出世したと同時に死地に赴かなければならない様ですね……」

「カレナ空軍の残存戦力だけでも、俺達にさばける数じゃない…
よく貧乏籤を引かされるぜ全く……」

二人は愚痴りながら落胆し、折り畳んだファイルを脇に抱える


「これまでも何とかなってますし、カレナに行っても何とかなると思います」

「気楽だなハル。
お前の言う通り、何とかなってくれれば良いが…」

ベルテ中佐は苦笑いで俺の肩を叩き、俺に行こうと促した。
ファイルを畳み、とりあえず立ち上がる

「中佐。
アルヴァから出撃し、爆撃機と護衛機の大編隊を地上で撃破し、マドラステアを奪還したのは俺達ですよ?
いずれは、誰かが行かなきゃならないんです。
この現状を何とか出来れば、それだけ戦争が早く終わると思います」

「それが出来るのは俺達だけって訳だな…?」

ファイルを抱えたアデル少佐が、鼻で笑いながら俺に頷く

「そういう事です少佐。
自惚れかもしれませんが、グリーメイア空軍の中でも、俺達ほど実戦経験豊かな精鋭部隊は、他にありませんからね」


「そういう事にしておくか…
これから忙しくなるぞ。
二人とも宜しくな」

ベルテ中佐が俺達の肩を叩き、ファイルを抱えて会議室から出て行く。
中佐の為にも頑張りましょう

「じゃ俺も行くぜ。
また後でな」

アデル少佐も俺の肩を叩き、ファイルを抱えて会議室から出て行く。


第312戦術戦闘飛行中隊


俺が指揮する中隊の編成表に、改めて目を通す。


アーマナイト隊
ボストーク隊
キマイラ隊


キマイラ隊とは初めて聞く名だ。
指揮官はエドガー・スタンフォード中尉。
編隊員は全員少尉だが、驚くべき事に、スタンフォード中尉以外は全員が女性パイロットだ

「この中尉…
ハーレム状態だな…」

なんか悔しい…

ボストーク隊の面々は全員知っているが、このタイフーン四機で編成された飛行隊については、南部戦線で戦果を上げている以外は未知数。
実力に期待だ。
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