ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□静寂と平穏の中で
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「時間も時間だ。
よい子は今日も宿舎で大人しく寝んねと行くか」

そう言って身体を伸ばすフランクリン。
もう少しで11時半になる。
俺はもう寝たい

「そうだハル。
寝る前にケースの中身を確認しとけよ?」

やけに重い中身を気にしながら、俺はケースに目をやりながら頷く。
中佐の事だ。
フランクリンのニヤ笑いといい、何か非常に役立つ代物か、とんでもない代物のどちらかに決まってる

「とりあえず今日は宿舎で休んで、細かい事は明日話そう。
フランクリンはスタンリーを部屋まで案内してくれ。
俺はケースの中身を確認しなきゃならないからな」

「あいよ。
着いて来いスタンリー。
俺様がVIPルームに案内してやるよ」

フランクリンに手招きされたスタンリーは、敬礼を残してトコトコと歩いて行く。
さてと…

「何の重さだろう…」

ずっしりと重いアタッシュケースは、それだけで不安な気持ちにさせる。
開けてびっくり玉手箱。
そんな簡単なものじゃなさそうな事だけは確かだ。
























7月3日

00:25

31号室


フランクリンとスタンリーと別れた俺は、自室に戻ってケースの中身を確認して固まっていた。
新たな命令書と基地司令宛ての手紙。
追加情報と互いの戦力配置が記された機密書類の束と、その下に隠れる様に生い茂る光ファイバーケーブルのジャングル。
その下には更に各種接続器具と一台のノートパソコンが固定され、様々なソフトがケース内のポケットに並んでいた

「どおりで重い訳だ。
よくもまぁこんなに…」

詰め込んだモノだ…
思わず感心してしまったが、問題は新しい追加情報の内容だ。

グリーメイア共和国
カレナ公国
二カ国で協議されていた和平交渉は、カレナ公国の協議不参加により交渉決裂。
西カレナ諸侯連合は勢力下の西カレナ一帯に南カレナを加え、カレナ連邦共和国建国に着手したそうだ。
これに伴い、カレナ大公フェルディナンド六世は退位。
議会制民主主義による新たな国家体系を目指し、カレナ公国からカレナ連邦共和国への主権移行を開始。

この動きを受けて、ハーメル政権は急遽西カレナ諸侯連合と接触。
新国家樹立を認める代わりに、新国家カレナ連邦共和国との不可侵条約を締結。
カレナ連邦共和国の押さえ込みにかかり、グリーメイア共和国との交渉も同時進行させ、カレナとグリーメイアは開戦より約2ヶ月。
ついに停戦条約を結ぶ事となったのだ。


両国の停戦は既に発効されており、俺の手元にも停戦条約に関する各種書類が届いている。


戦争が終わったのだ……
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