ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□黄色の炎
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「気落ちしてても始まらねぇか…
無線機は全部で3つ。
トランシーバーは12個ある。
とりあえず通信の確保は問題ないだろう。
あとはフランクリンと少佐の指示に従って何とか乗り切るしかないな。
皆聞いてくれ」

彼らの視線が一斉にタキガワ大尉に注がれる

「こうなった以上、俺達は俺達に出来る限りの事をやるしかない。
俺には地上戦の経験は無いが、ゲルニッツ少佐とフランクリンは経験者だ。
何かあれば二人を頼れ。
俺に出来る事なら頼ってくれて構わない。
とにかく。
皆で力を合わせて乗り切ろう。
誰も死なせない様にな」

武器や装備品をリュックから引きずり出していたタキガワ大尉は、そういってトランシーバーを並べて行く

「ありがとう大尉…」

トランシーバーを取りながら、俺はタキガワ大尉に感謝した。
軍人の集まりでは階級がものを言う。
そんな階級社会の中での上位階級者。
俺とフランクリンとタキガワ大尉が動かなければ、階級社会は動く事さえままならないのだから
「さぁて…
そうと決まれば早いとこ穴掘りだ。
まず森の中心部にデカ穴を掘るぞ。
前哨陣地は夜中にコッソリ掘り進めて行こう。
それまでは引きこもりな根暗君を決め込むぞ」

引きこもりな根暗君という所で、小さな笑いが起きる。
フランクリンが居てくれれば何とかなりそうな気がして来た。
タキガワ大尉もレミントンM870をポンピングし、トランシーバーをポケットに突っ込んだ

「地上戦の経験は無いですが、死にたくなけりゃぁ…
死にたくなけりゃ自分にやれる事をやるしかない。
しかし生きて行くには、自分一人じゃ出来ない事の方が遥かに多い…
だから皆を奮い立たせ、皆で力を合わせて乗り切る。
それだけの事ですよ少佐」

タキガワ大尉はショットガンを肩に乗せ、マツカサ少尉の肩を叩いて歩き始めた。
これくらい乗り切れる筈だ。
俺達なら………









同時刻

ゲオルグ空軍基地


強行着陸した二機のC-17から次々と姿を現したレオパルド2A5と、ミニガンとロケット弾を掃射して基地に突入して来るUH-1HとCH-47の大編隊。
コンマ数秒の間に十数発の7.62mm弾が着弾し、被弾した人間が瞬く間に単なる肉塊やミンチと化して行く。
ロケット弾は駐機中のグリペンCや、ハンガーの脇に停めてあったハンヴィーを吹き飛ばし、ゲオルグ空軍基地は黒煙と炎に覆い尽くされていった

「スティンガーはヒューイを狙え!
降下中なら簡単に墜とせる!
RPGとATMはレオパルドだ!
急げ!!」

警備部隊の指揮官が完全武装の達に手早く指示を出しながら、自らも数名の隊員達と共にG-36Cを構えて駆けていく。
上空からはロケット弾の一斉掃射と共に、AH-6が逃げ惑う整備兵やパイロット達に向けてミニガンを掃射。
逃げ遅れた数人の軍人達は、ミニガンから毎分4000発以上という猛烈な勢いで吐き出される7.62mm弾につかまり、あっという間に穴だらけの肉塊へと姿を変えていった


「対戦車班!
早いところ敵戦車を黙らせてくれ!
これじゃ対空戦闘に集中出来ない!!」

20mm対空機関砲が猛烈な勢いで対空射撃を行うなか、対戦車ミサイルを装備した対戦車班がレオパルドに向けてミサイルを発射。
発射音は猛烈な対空射撃に掻き消されるが、発射された対戦車ミサイルは的確にレオパルドを捉え、レオパルドは着弾と同時に車体から火を噴いて停車。
即応弾か装填途中の砲弾に引火したのか、砲塔下部が爆発を起こして黒煙と炎を吹き上げた

「見たか!
敵戦車撃破!
次行くぞ!
次弾装填!!」

対戦車班は次弾を装填すると移動を開始。
基地は銃撃戦の発砲音と爆発音。
そして悲鳴と断末魔の叫びで溢れかえり、おおよそ空軍基地とは思えない有り様だ

「チヌークが降りて来るぞ!
スティンガーは」

直後に吹き飛ぶ対空機関砲と、対戦車班の隊員達。
レオパルドが至近距離から放った120mm砲弾が大地を抉り、機関砲は用を成さない鉄筋と鉄塊に。
兵士達を瞬く間に見るも無惨なチリと肉片に変える。
その上をキャタピラが踏み潰し、レオパルドが砲塔を回転させながら同軸機銃とM2重機で対空陣地を蹂躙する。
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