ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□黄色の炎
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10:35

シュレジェン基地外周

ビュセックの森


シュレジェン基地外周に広がる森。
ビュセックの森の中では、シュレジェン基地残存兵達によって防御陣地構築が順調に進んでいた。
森の中で小さく膨らんだ場所には、少し大きめのタコツボが掘られ、オリーブドラブのシートを被ったフランクリンが頭だけを出して周囲を警戒している

「大尉。
ミントガムいりますか?」

ヴォルフが差し出したミントガムを受け取り、それを噛みながら再び周囲を警戒する。
フランクリンの持つG-3は、7.62mm弾を使用するバトルライフル。
その有効射程は500〜700m前後。
そして被弾時の角度にもよるが、ヘルメット越しでも頭蓋骨程度なら粉砕する威力がある。
カレナ海兵隊のスカウト・スナイパーから奪った代物は、フランクリンの手となり腕となり、彼の狙う新たな獲物。
カレナ海兵隊の兵士達を待ち構える。
後ろからは穴を掘る音と、木と石がぶつかる音が響いて来るが、それは味方が発する音だ。
問題はない

「向こうからは見えないが、こちらから森の入り口は丸見えだ。
お前もきっちり見張っとけ」

「分かりました。
大尉ほど目は良くないですけどね」

ヴォルフはタコツボの中からコソッと顔を出し、フランクリンの隣で静かな森の中を見渡した。
土を掘る音と小鳥の囀り。
そしてフランクリンの息遣い

「静かですねぇ…」

「嵐の前のナントやらって奴だ。
基地を完全掌握したら、奴らは必ず森の安全を確保しに来る…」

唐突に上空に轟音が轟き、フランクリンとヴォルフは身を穴に隠して上を見上げる。
木々の切れ目から見えたもの。
それはカレナ空軍のAV-8BハリアーUと、F-35Bの大編隊だった

「奴ら本気だな…」

ミサイルや爆弾を満載したVTOL機の群れは、真っ直ぐシュレジェン基地に向かって飛び去って行った。























10:30

マドラステア空軍基地

マドラステアにはカレナ海兵隊の戦車部隊が迫り、上空では四機のSu-30MKにブラウ隊の四機が食らいつき、互いに一進一退の空中戦が繰り広げられていた。
基地には警報が鳴り響き、銃声や大きな爆発音。
そして、対空陣地から撃ち上げられる機関砲弾の群れと、幾筋もの白煙を引きずって飛翔していくSAM達。
基地は防衛戦の真っ只中だ。

約二時間前。

突如として現れたカレナ空軍のストライクイーグルによる攻撃を鏑矢とし、基地近郊に潜伏していたカレナ海兵隊の襲撃を受けたマドラステア基地は、急行したグリーメイア陸軍第5機甲師団A戦闘コマンドを頼りに今なお持ちこたえていた。

グリーメイア空軍
第三航空師団司令部所在地

マドラステアは第三航空師団の最重要拠点というだけでなく、グリーメイアの反撃を牽引して来た空の英雄達のホームベース。
グリーメイアとしても最重要拠点である。

しかし今のマドラステアは、グリーメイア陸軍特殊部隊とカレナ海兵隊による地上戦が。
上空では離陸した戦闘機達による防空戦が繰り広げられ、基地始まって以来の大戦火に包まれていた。


マドラステア空軍基地近郊から迫り来るレオパルド2A5の群れ。
それを迎撃するATMやパンツァーファウスト3を装備した兵士達と、彼らを援護するグラオ隊の四機。

展開していた位置からか、奇襲を免れたエクゼター隊以下の12機も救援に駆け付け、マドラステア上空はグリーメイア空軍機の方が優勢だ

「ヘリを撃墜出来たのがデカかったな。
グラオ・ワンより各機。
戦車を叩けば奴らの少しは士気も下がる筈だ。
敵戦車に攻撃を集中。
一気に畳む」

戦車隊に向けて襲い掛かる戦闘機達と歩兵達。
マドラステアの防衛戦はグリーメイア側優勢のまま終盤を迎えつつあった。
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