ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□絶望と希望
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鹵獲出来たのは10丁のM320グレネードランチャー付きXM8と2丁のMINIMI。
そして汎用機関銃M240とM2重機関銃。
3丁のAT-4と2丁のカールグスタフ。
そして16発のM67手榴弾。

全員が各タコツボ内で装備を整えるなか、フランクリンは鹵獲したサイレンサー付きM-21の再調整を行っていた

「これってどう使うんですか?」

「ん…?」

隣でAT-4と格闘していたヴォルフだが、引き金以外は良く分からないといったところでフランクリンに助け舟を求めたのだ。
M-21の再調整を終えたフランクリンは、面倒くさそうな表情でAT-4を取り上げた

「先ずこの安全装置を解除して、あとはここで狙いを定めてトリガーを引く。
バックブラストの心配は無いからタコツボの中からでも発射可能だ。
弾頭は撃ってからのお楽しみって具合だが、とりあえず人に向けて撃っちゃマズいだろって弾頭な事は確かだ。
後は指示通り撃ってくれ」

再び安全装置をかけ、ヴォルフにAT-4を渡したフランクリンは、改めて森の中を見渡す。


スコープ付きのG3A4はロウェインに渡し、スナイパーとしての心得と警戒すべき事案。
そして狙撃時の注意と、自分用ギリースーツの作り方などを簡単に伝授した。
基礎訓練のライフル射撃で一番好成績だったのがロウェインだが、ロウェインのカバーと周囲の警戒に当たるタキガワ大尉は狩猟用ライフルでの標的射撃経験もある。
タキガワ大尉はXM8を装備して、狙撃時と移動時のロウェインをカバーする

『こちらネスト。
皆良いニュースと悪いニュースがある。
まず良いニュースだ。
グリーメイア陸軍特殊部隊と、カレナ公国軍を離反したイベル人部隊が合同で救援部隊を組織。
俺達のもとに急行中らしい。
そして悪いニュースだけど…
カレナ海兵隊が本腰入れて俺達の掃討に向かってる。
戦闘ヘリの管制らしい無線も入っている。
敵部隊の規模は大きい。
これを撃退出来れば味方が来てくれる。
無理する事は無い。
敵を全滅させる必要も無ければ、必要以上に攻撃する必要も無い。
注意して撃退してくれ』


カレナ公国軍外人部隊の中でも、イベル人部隊は装備・練度が特に高い精鋭だ。
ハーメル政権下では捨て駒同然の扱いを受けていたらしいが、度重なる実戦の中でも彼らの戦果と生存率は共に高い。
民族浄化の中でも挫けない精鋭部隊。
期待出来る

「了解だネスト。
全員聞いてくれ。
可能な限り陣地転換を繰り返しながら敵を翻弄する。
機関銃移動時は味方に通信を入れて援護を受ける様に。
爆弾もまだ起爆していない物が多い。
移動時は爆弾が有効活用出来る場所に向かって移動してくれ。
相手は本格的な地上戦訓練を受けた戦闘のプロフェッショナルだ。
敵に新兵が多いと言えども、戦闘経験が無い俺達は圧倒的に不利だ。
後は分捕った武器と根性で何とかするしかない。
使用法が分からない武器については、今のうちに無線か聞きに来てくれ。
以上」


12:15

海兵隊と空軍パイロット達との戦闘は激化していく。
孤立したパイロット達と先に接触するのは果たして……




























12:20

ヴェストレーベン陸軍基地

グリーメイア陸軍特殊部隊GASFの隊員達を乗せたMH-47とMH-60が到着し、ゲオルグ空軍基地に向かうイベル人部隊と合流。
イベル人部隊の使用するヘリは最新大型汎用ヘリEH-101と、同じく最新の中型多目的へりNH-90だ。
イベル人部隊の個人装備はGASFと同じM4A1。
だが実戦経験と練度はイベル人部隊の方が遥かに上だ

「これより我々は制圧されたシュレジャン基地の解放に向かう。
敵は勇猛果敢な戦闘集団カレナ海兵隊だ。
相手は百戦錬磨。
プロ中のプロだ。
だがこちらにも勇猛果敢なイベル人達が付いている。
彼らの邪魔にならないよう、気を引き締めて事に当たってくれ。
行くぞ!」

およそ50名弱のGASF隊員達と、同じ規模のイベル人部隊の計100名弱。
彼らはヘリに乗り込み戦地を目指す。
一斉にメインローターが回転を始め、ヴェストレーベンを飛び立とうとする彼らの目には、揺るぎない闘志と漲る自信があった。
戦闘のプロ集団としての自信が。
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