ACE COMBAT 〜DOG OF WAR〜
□カレナの騎士
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2005年
6月10日
午前10時12分
クロール平原上空
『方位ツー・シックス・ゼロに敵性反応多数確認。
まだ時間では無いが作戦開始。
時計あわせ。
遭遇戦だ。
各機急げ!』
ノルトヴィントからの指示に従い、俺達は一斉に腕時計を合わせる。
そして、ミサイルと機関砲の安全装置を解除した
『アーマナイト隊は制空権確保。
グラオ隊は対地攻撃を敢行。
両隊は敵を無力化せよ。
空挺部隊の降下は戦闘終了後とする。
各機の健闘に期待する』
グラオ隊の四機が高度を下げて行くなか、俺はスロットルレバーに手をかけた
「各機へ。
全力を持って敵を墜とすぞ!」
四機のF-15Cがアロー編隊を組み直す中、俺は先頭を飛びながらレーダーを睨み付けた。
そこには確かにカレナ軍機が六機。
二つの三機編隊が、等間隔を保ちながら接近中だった
『クレイモアよりアロウ。
敵機を視認。
タイフーン三機とフランカー三機。
向こうも制空戦闘機。
どうすんだいハル?』
フランクリンの人間離れした視力に半ば呆れながら、俺はXLAMの安全装置を解除する。
そして操縦桿を力いっぱい握り締める
「アーマナイト・ワン。
エンゲイジ」
『アーマナイト・ツー。
エンゲイジ!』
『アーマナイト・スリー。
エンゲイジ』
『アーマナイト・フォーエンゲイジ!』
熱を帯びた三人の声を聞き、俺は三機に指示を出す
「全兵装使用許可。
敵を墜とす!
槍を放て!!」
言い終わるや否や、俺はXLAMを二発発射する。
三機からも計六発のXLAMが発射され、八発のミサイルは白煙を吐き出しながら敵機に迫って急加速を開始した
「ヴォルフはフランクリンの援護。
モニクは俺に続け。
フランクリン。
俺の援護も頼むぜ?」
『やってみるさ。
行くぞヴォルフ…!
モニク。
ハルの援護を抜かるなよ?』
二機ずつに散開したF-15Cの中で、モニクは静かに返事をした。
直後に生まれた二つの爆球。
フランカー二機が黒煙と破片を撒き散らし、眼下の平原に向けて墜ちて行った
『ハル!
二機やったぞ!
俺も五機目撃墜だ!!』
そのまま虚空で擦れ違う八機の戦闘機達。
その中で、フランクリンは自分の五機撃墜を誇らしげに宣言して見せた。