ACE COMBAT     〜DOG OF WAR〜

□モニクとハル
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気付けば俺は、モニクの部屋の前に立っていた。

フランクリンの言葉で解放された気持ちを抱いて………














「なぁハル。
初めてモニクと逢った日、お前が言った言葉を覚えるか?」


「………。」


「ソレがお前の気持ちだよ。
モニクも本気。
俺はアイツの気持ちも、お前の気持ちも分かってるつもりだ。
アイツは本気でお前の事が好きだ。
そして、お前もアイツに惚れてる。
だったら簡単だ。
アイツの気持ちに応えてやれ。
もう隊長だの部下だの言って我慢すんな。
アイツが何時までも待っててくれる保証も無いしな…
一発決めて来い!」

















そして今に至る訳だが…












意中の女性の部屋だ…
やっぱり緊張しちまうだろ!
















その時だ














「隊長…?」














いきなり後ろから声を掛けられ、俺の心拍数は急上昇に次ぐ急上昇。

何故なら声の主は、他ならぬモニクだからだ。



てっきり部屋の中だと思っていた俺は、いきなりの奇襲攻撃にフリーズしたままだった

「やっぱり…
やっぱり私の気持ちなんて迷惑ですよね…」

フリーズしたままの俺を見つめながら、モニクは大粒の涙を零し始めてしまう。
そして俺を突き飛ばし、部屋の中に逃げ込もうとする。


退けない…!


俺はドアに手をかけ、モニクの退路を塞いだ

「話があるんだモニク。
大事な話が…!」

モニクは尚もドアノブを掴み、涙を拭いながら強引に引こうとする。
そんなモニクの頬に、俺は静かにキスを落とした。

キスを落とすと同時に動きが止まり、モニクの不安げな瞳が俺の顔を映し出す

「大事な話があるんだモニク。
本当に大事な…
大切な話だ。
聞いて欲しいんだ。
君に……」

俺の言葉を聞いたモニクの瞳から、再び大粒の涙が溢れ出す

「隊長……
その話…ゆっくり中で聞かせて下さい……!」

涙を流しながら見上げてくる瞳と、頬を紅潮させる整った端正な顔。

そんな表情に生唾を飲みながら、俺は静かに頷いた………
















「おぉっ…!
部屋に入ったぜ!
みろよ!」

「もうストーカーみたいな事やめて戻りましょうよ少尉…」

「特ダネだぜ特ダネ!
ニッヒッヒッ…
笑いが止まらねぇなぁオイ!」

「なんでコンナ人が少尉なんだろ…
世の中って不平等だよなぁ…」

「オイ待てよ!
ったく…!
まあ…
特ダネは押さえたからよしとするか」



モニクとハルが部屋に消える現場を押さえたストーカーと、ストーカーの付き人は、ひっそりと現場を去って行った。
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