ACE COMBAT 〜DOG OF WAR〜
□LOST HEART
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グリペンの背中を追い掛けていくイーグル。
俺は、そのコックピットに居た
「いただきだ…!」
HUDの中央部にグリペンのエンジンを捉え、俺はトリガーに指をかける。
あとはミサイルを放つだけ。
そう思った刹那、コックピット内に警報が鳴り響いた。
ジジジというアノ音だ。
ロックオンされた…!?
舌打ちしながらミサイルを放ち、俺はフレアディスペンサーを作動させる。
俺は機体を右に左にバンクさせ、後方に陣取ったグリペンにフェイントをかけながら、ロックオンを振り切ろうと急加速をかける。
身体中を駆け抜けるGと、その方向に引き寄せられる血液。
その直後、俺のミサイルが突き刺さったグリペンが爆散して果てる。
それをかわした俺とグリペンは、同じ軌跡を描きながら最大速で急旋回する。
ピタリと後ろに着いて離れないグリペン。
カレナ軍パイロットの技量が垣間見れる。
そのまま空中で軌跡を描く二機の後ろに、もう一機のイーグルが現れる。
モニク機だ
『今助けます隊長…!
貴方も墜ちなさい!!』
モニク機から発射されたミサイルは、俺の後ろに着いて離れなかったグリペンを火球に変えた。
グリペンを撃墜したモニクは、そのまま俺の横に機体を寄せる
『隊長。
背中は任せて下さいと言った筈ですよ?
あと二機です。
頑張りましょう』
コックピットから敬礼を送るモニクに、俺も返礼を送った。
大した新米少尉だ。
そんな言葉が喉元まで湧き上がって来たが、今は残る二機のグリペンを墜とすのが先だ。
フランクリンとヴォルフもラファールを追い掛け回し、ヴォルフのスコア稼ぎの真っ最中である。
たかだか数回の戦闘を経験しただけで、イーグル乗りとしての頭角を現し始めたヴォルフ。
そして俺の背中を守りながら、確実に腕を磨いているモニク。
アーマナイト隊の四機は、ずば抜けたセンスを持ち、確実に敵を仕留めていくプロフェッショナル。
改めて自分の下に集った四騎の力を考えながら、俺は散開していくグリペン二機の姿を捉えた
『俺も負けてられないな…
アーマナイトの一番機は俺だ…!』
ロックオンしたグリペンにXLAAを発射しながら、俺はもう一機のグリペンに狙いを定める。
当たらなくても良い。
回避に集中している間に、モニクが取り付ければ上等だ。
そのまま俺はグリペンのエンジンを睨み付けた。