BASARA短編集


□ある日の午後―Afternoon Tea―
1ページ/4ページ

――――――上田城・庭
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「閑かだねぇ」
 
 
 
「全くだな」
 
 
 
中庭の縁側に男が二人座っていた
 
 
 
一人は茜色の髪に迷彩柄の服を
着た此れでも立派な忍
一人は黒髪をオールバックにした
ヤクザ顔負けの左頬に傷のある男
 
 
 
「あの二人が居ないだけで、此れ
だけ平和になるなんて……」
 
 
 
「普段、どれだけ騒がしいのか
よく分かるな……」
 
 
 
この茶を交わしている二人
実は従者なのだが、主達の久々の
逢瀬を邪魔しない様
そして、自分達もまた久々の逢瀬
を楽しむべく全くの別行動をしていたのだ



しかし、当人達が居ないとは言え
言いたい放題である



が、逆を言うと其れ程までに
親密な仲である事が窺い知れる



 
 
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ