「……寝てるやん」




すやすやと居心地良さそうに人のベッドで寝てる彼女に呆れるちゅーか笑うしかなかった

まぁ、ええねんけどな

せっかく来てくれたのに雑誌に夢中になった俺に待ちくたびれて寝てしまったんやろうな。
そんな予想をたてながら
こっちに背を向け身体を丸めて寝ている彼女の頭をそっ、と撫でる




「幸せそうな顔して何の夢いてるんや?」




覗き込んで見る横顔は本当に幸せそうな顔し、ふにゃって効果音が聞こえてきそうやな

一体、どんな夢をみとるんやろう?

聞いてみたくともこんな幸せそうな顔されたら起こす気もおきへんからそのままにして

こんな時間が何より幸せや




「……───け」
「ん?何か言っとるんか?」




突然、聞こえてきた寝言が聞き取りにくく彼女の口元に耳を近付けてみると

今度はちゃんと聞こえた




「くらの…すけぇ」
「───っ!?」




幸せそうな顔して寝とる彼女から聞こえた寝言
思ってもなかった自分の名前が出てきたことに顔が熱い


夢の中には俺がいて


キミにそんな顔をさせているのは俺って思ってもええやろうか?





「あぁ…ホンマ反則やわ」




たった一言がこんなにも嬉しいなんて




丸めた背中の愛しさに
起きたらまず抱き締めてるんは決定やな





fin...


よければ一言を!



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