降り止まない雨

□扉の向こう
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今、私が生きている事で、今私が死んでいる事で、世界が変わったりなどしない。

私がどんなに苦しもうと、私がどんなに苦痛を感じていても、大きな世界は顔色一つ変えない。


私の中では大きな事でも、世界はただ流れて、ただ廻っている。

こんな事を考えるのは、こんな事を思うのは、私が病んでいるだけ?


別に、私を中心として世界が廻って欲しいわけじゃない。
そんなモノを望んでいるわけじゃない。


ただ、色を変えない世界にムカついただけ。

そんな事を思っても、どうせ世界は変わったりしない、消えない。


それなら、


私が消えてしまえばいい。

そう思った。






「…お前さぁ…、キモいんだよ。」

「や…」

「そうそう、なんでお前みたいな奴が生きてんだよ。」

「やめ…」


もう、何処に居るかさえもわからない。
それ程に、意識は遠くなっていた。

私は何もしていないのに、どうしてこんな目にあうんだろう。


「此処は、お前みたいな奴が来る所じゃないんだ。

お前みたいな…汚れた人間が!!」


止まらない、身体中の傷み。



「………。」


「あっ!ヤバイ!!コイツ、血出てる!!」


独特の鉄の臭い。

「い…行こう!!」



遠くなる、足音。

訪れる、静寂。


「う…ううっ…。」


何で私は、生まれてしまったんだろう。

何で私は、こんな風に生きてるんだろう。

何で私は、意味もなく傷つけられなければいけないんだろう。

何で私は、死にたくても死にきれないんだろう。



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