降り止まない雨

□僕等の未来
1ページ/4ページ



みんなに春が来て、みんなに幸せがたくさん降って来て。



思い出したみたいに云った、聡子ちゃんの言葉で、今回の話は来た。



それは。



「もしもし。」

『あ、亜結?元気だった?』

「うん、どうしたの?急に電話なんて…。」

この電話が来たのは、ある日の放課後。

『あ、うん。あたしに彼氏ができたって報告…したよね?』

「う?うん、聞いたよ。聡子ちゃんのお家でバイトしてる、他高生で、同い年だって…。」


『うん、そう!だったら話は早いわね。まだみんなに紹介してなかったなぁと思ってさ。』


「んあ〜…そういえば、そうだね。」


『で、次の休み。みんなで遊ぼうよ。久しぶりに。紹介がてら。』


「次の休み?うーん…、僕、土曜日はちょっと難しいなぁ…。お店、手伝う約束してるから…。」


『土曜日はダメってことね。わかった!
とりあえず…、藜にも都合聞いといて?
瑞樹と幸成にはあたしから云っとくから。』


「あ、うん。わかった。藜は今部活だから…帰る時に聞くね。
それから連絡するよ。」

『うん、ありがとう。ごめんね?急に誘っちゃって。』


「あ、ううん。全然大丈夫。」
『じゃ、連絡待ってるね!』

「うん、じゃあね。」



そう云って電話を切り、スケジュール帳をカバンから引っ張り出す。


「聡子ちゃんの彼氏さんかぁ…。どんな人なんだろ?
聡子ちゃんが好きになるくらいだから、とってもいい人なんだろうなぁ…。
なんか楽しみになってきた!」


聡子ちゃんが云っていた休みの日は、何も予定はなく。
早くて日曜日か、その翌週か。

みんなの都合が合う日が早く来て欲しいな。







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ