降り止まない雨

□ドキドキ!?ハプニング!
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『ドキドキ!?ハプニング!』


昨日わたしは、ちゃんと自分の部屋で寝た。
あぁ、そうだ。
確かにそうだ。

寝る前に最後に逢ったのは、雪乃だった。
間違えるはずがない。

だが……、この妙な違和感はなんだ!?
「!!」

目を覚ます。
突然、耳元で鳴り出した目覚まし時計によって。

「…目覚まし時計…?そんなものあったか…?」

目覚まし時計など、使っていない。
いつも、携帯でアラームを鳴らしている。
しかし、いつも枕元に置いている携帯が見当たらない。


「ん?」

そして、状況を把握する。
目覚まし時計といい、携帯といい、おかしい。
部屋の雰囲気も違う。そんな気がする。

「まさか…!」

寝惚けて雪乃の部屋で寝たのか!?
だとすれば、雪乃が隣で寝ているはずだ。
しかし、そこには。


「んな!露崎!?」
隣には、露崎仁が寝ていた。

「お前…っ!いつの間に雪乃の部屋にっ!?」


ん?待てよ?
これは…、わたしの声じゃない…?


「!!?」


自分の身体を見れば、明らかに違う。

「嘘…、だろう…?」

急いでベッドから出る。
洗面所へ向かい、鏡で自分の姿を確かめる。

「!!」


予感は的中。
わたしは何故か、修一の身体に居た。


「朝からうるさいぞ、篠原。悪い夢でも見たか…?」

呑気に欠伸をしながら洗面所に露崎仁が入ってくる。
あぁ…!これが夢なら、今すぐ覚めてくれ!

「露崎!お前、わたしに何をした!?」

洗面所に入って来た露崎の胸ぐらを掴む。

「篠原、『わたし』って…?いつから女になったんだよ。」

「わたしは修一じゃない!早紀だ!竜崎早紀だ!」


胸ぐらを掴んだまま、奴の身体を揺さぶる。


「…は…?お前、何云って……」


露崎の問いが最後まで口にされる前に、ドアがいきなり開けられた。


「早紀っ!」


焦ったような、わたしの声が近付いてくる。


「修一!!」


わたしは声に近付く。

「「俺(わたし)が、居る…?」」


同時に互いを指差し、驚愕した。






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