ソファーでテレビを見る彼と
ヒーターの前に足を向けて座る私

『ねえ』
「ん?」

呼ぶと彼はコッチを向いて

『春が来たら何したい?』
「んー・・・」

考えてるのか彼は背もたれに寄りかかって天井を仰いでる

『梅を見に行くとか
桜を見に行くとかあるでしょ』

梅は川沿いの道で見れちゃうし
桜はそこの道路脇で見れちゃうんだけど

「んーー」
『ないの?なにも?』

つま先が温まったから
今度は背中を向けて座りなおす

「春になったらしたいこと。。」
『うん。』

彼はまだ天井を見てる

「春になったら」
『春になったら?』

テレビの音が間を埋める

「結婚したいな」
『・・・・』

冗談かと思ったら
彼の耳が薄っすら赤い

『今のって』
「プロポーズ?」

あなたは天井を見てて
私はヒーターで背中を温めてる
こんな瞬間に、プロポーズ?

『ちゃんと言って』
「オッケー」

ソファーの上
二人向き合って正座して

「春になったら結婚してください」
『よろこんで』

ねえ、じゃあさ
一体いつから春って言うの?






End


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