魔法四国物語

□4話
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僕・ユウたちがこの魔法の世界に来て、一週間がたった。

「黄の民」の人達は僕らにとても親切にしてくれたので、今まで不自由なく生活できた。

でも、大切な事を忘れているような・・・

―――――――
4話 誓いの樹
―――――――

「なぁ」


朝食を食べようとリビングに行くと、ヨウが問いかけてきた。


「何か忘れている気がするんだけど・・・」

「僕も思ってたんだよね」

カチャ
ガチャ
食器のぶつかる音が聞こえる。
キッチンのからリンカとハルナが朝食を運んで来ていた。


「はい、はーい!!ガキ供!!ご飯だよ!!」

((何!!?ハルナのこのテンション・・・))

「今日はトーストとハムエッグだよ!」

((あ・・・リンカは平和だ・・・))


朝食が全て運ばれたのでとりあえず食べることにした。
ふと、さっきの疑問を思い出した。


「なぁ・・・なんか忘れてるような気がしない?」

「あっ・・・そういえば・・・」


リンカが言った。


「何だっけ・・・」

「ほへっへはひひはほほ?」

「おいっ!ハルナ!食べてから言え!!」

「はひ?」

「何て言ってるか分かんねぇーよ!!!」

「「・・・」」


目の前には、言葉では言い表せないものすごい光景が広がっていた。
ちなみにハルナの言った事を通訳(?)すると、
「それって大事な事?」
らしい。


「で、どうなの?」

「えっと・・・多分そうだと思う・・・」

「今日の朝ご飯にデザートがないとか?」

「いや・・・違うだろ!!」

「魔法の勉強の時間忘れたとか?」

「忘れてないから!!」


そう。
実は僕たちココに来てから一週間、長老たちに魔法を教えてもらっている。
基本的なものは、ほとんど使えるようになった。


「・・・元の世界に帰るとか・・・?」

「違うだ・・・あっ!!」

「あっ〜!!」

パンッ
リンカと僕は手を叩いて叫んだ。
納得・・・って


「えっぇぇえ〜!!?」


納得している場合じゃない。
こんなに大事な事忘れてたのかよ!!


「・・・で、どうしやいいんだ?」


ヨウが呟いた。
そういえば・・・


「あのさ〜ご飯冷めちゃうよ〜」


ハルナが言った。
とりあえずご飯か・・・

***

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