徒然の詩

□闇黒華
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腐蝕の月光
其の光舐めとるは
魔王(サタン)の舌先

穢れの盃(ゴブレット)
満ちるは鮮血と罪

舞い踊れ
迷いし愚民共
お前に救いは無いとも知らず

セイレーンが唄う
混沌の調(シラベ)に乗せて


未来(サキ)に漂う暗影の霧
謀略の鎖
貴方は絡め捕られる

一褸(イチル)の希望
賢者の祝詞(ノリト)
もうそんなモノに意味は無い

鳴り響け
虚空の迷宮に
打ち鳴らせ
破壊の天使

只在るのは
絶望を告げる時空(トキ)の鐘


腐敗の剣(ツルギ)振り翳し
切り裂いて
私から奪った紅き果実

生き永らえるがいい
其の実を啜(スス)り

重き果汁に腑(フ)を焼かれ
耐えられるものならば


後には戻れない
戻さない
私は貴方を忘れない

奈落の底で又逢いましょう



混迷の日蝕
其の輝き喰らうは
冥界王(ハデス)の牙

嘆きの祭壇
捧ぐ処女の怨嗟と涙

逃げ惑え
憐れなる神よ
お前を信ずる者はもう居ない
妖魔が囁く
嘲罵の旋律が残るのみ


何故闇を忌み
光を請う?

闇が悪で光が正義だと言い切れる?


勇者は血に餓え
獣(ケダモノ)と化し
手柄を立てんと抜刀す

罪無き異形の者の頸掲げ
愚かな民
彼の者を称え謳う

血涙(チルイ)流す 晒し首
貴方は知っているのか


白き女神が赤に染まる口の端(ハ)で嘲(アザワラ)い
贄をと叫ぶ

黒き悪魔が数多の髑髏 抱き抱え
慟哭挽歌(ドウコクバンカ)する

天は地に臥(フ)し
地は天に帰(キ)す


現世(ウツシヨ)に咲くは華
其の名はDunkelheit



腐蝕の月光
其の光舐めとるは
魔王(サタン)の舌先

穢れの盃(ゴブレット)
満ちるは鮮血と罪


混迷の日蝕
其の輝き喰らうは
冥界王(ハデス)の牙

嘆きの祭壇
捧ぐ処女の怨嗟と涙



惨劇の宇宙(ソラ)
其の景色彩るは
最高伸(ゼウス)の絶叫

不浄の宝剣
衝き立てた泥濘(デイネイ)と喉

懇願せよ
見捨てられし暗君
お前にもう逃げ場は無い

恍惚の悦びに
黒翼の断罪者が舞い墜ちる



→後記

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