徒然の詩

□終焉世界
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廻る世界
堕ちる世界
黒く黒く塗り潰される

真理に潜む
魔物の影が迫り来る

懺悔の詩(ウタ)を紡ごう
私は只傍観し手を取ってしまったのだから

此の世はとても美しく残酷
此の腕(カイナ)に抱(イダ)く罪は重い

溢るる朱(アカ)に濡れて


こんな私でも
心の平穏を求める事は許されるのだろうか

重き枷を永久(トワ)に背負い
戒めの楔を打ち付けたまま

舞う曲は
終劇の鎮魂歌(レクイエム)

高らかに木霊する
雨の如き銃声の拍手



頭上から降りて来たのは
紅き紅きカーテンコール

もう二度と上がる事無き幕を下ろしたのは私


其の穢れた血で
護りたいと思うのは暴慢か

貴方が掬い上げてくれた此の命

貴方と同じ暗晦(アンカイ)の途(ミチ)を
迷わず歩いてしまった

其に悔いは無いが
貴方は失望するだろうか



何処か淋しそうな眼で
貴方は昔謝罪した

此の途しか与えてやれなかったと

其でも構わない
此の世界で私は初めて生を受けた

生きる意味をくれた
暗黒の世界



漆黒の翼の名の下(モト)に
華麗なる裁きの剣舞を

跪(ヒザマズ)く者の声には
慈悲の手を差し伸べるも無く切り捨てた

私の中の
鬼神が動き出す

彼等に安寧となる
死の接吻を贈りましょう



貴方が居なくなった時
世界は黒く紅く染め上げた

横たわる緋(アカ)の湖の中で
私は恐怖した

此の衝動を
飼い慣らす事が出来るのかと


だが必要とあらば解き放とう

私の新たなる
家族の為に

蕀(イバラ)の冠を握り締め

私の世界を護り抜く





→後記


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