徒然の詩

□禁縛楽園
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深淵の縁(フチ)
宵闇の楔(クサビ)
狂者の戯れ
浄土へと誘(イザナ)う禁忌の果実

眠る乙女は何を視るのか
逃れる術(スベ)等
在りや無しや

囚らえられた心
淡く色付く肌に口寄せて
囁く甘美なる睦言


嗚呼…モウ逃ゲラレナイ



両の手首に蕀(イバラ)の戒め
滲む赤に酔わされる
堕落の甘露

其の腕を縫い留めて
引き摺る鎖の音は
涼やかに透き通る


不自然何て謂わないで
此が不器用な僕の愛情
其を君も望んでくれるなら
幾らでも刻み付けてあげる


二度ト忘レナイ様……



煉獄の門
紅蓮の業火
咎人の騒(ザワ)めき
裁定の場に舞散る免罪符

佇む姫は何を謳うのか
愛の言葉等
夢か現か

閉じられた部屋
仄かに照らすのは燭台のみ
幻想の彼方に映した


嗚呼……モウ何モワカラナイ





→後記


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