小説

□蜘蛛の糸
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「―――この世界は地獄だ」
貴方がいつか言っていた。
それでも貴方はその地獄に自ら望んで進んでいった。
泥にまみれ、犯され、足を掬われても尚――
彼は地獄に留まった。
もがきながら、苦しみながら、その先にある光を求めて…。



僕はただ、そんな貴方の側にいるだけで。
一体僕に何ができるのでしょう。


せめて貴方が手に取れるような、すがれるような蜘蛛の糸になれたなら――



光へと導く、蜘蛛の糸になれたなら――…

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