Novel V

□夕焼け
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「…サスケの事、考えてたんだってばよ」

俺は言った。
この台詞を言うのは、今日が初めてじゃない事くらい分かる。


気付いたら、サスケの事を考えて、それをサクラちゃんに話していた。


「ほんっとサスケ君はモテるわよね!」
「ち、違うってば、そういうんじゃなくて!」

別にサスケを恋愛対象として好きなわけじゃない。仲間として…嫌いだけどスキ。

アイツの控え目な笑顔とか、必死で戦う所とか、仲間を大切にしてる一言とか…全部ひっくるめて、俺は大好きだった。

勿論、仲間として、兄弟の様な存在として、…親友として。


やっぱアイツ好きだなぁって。


「それは恋愛対象としての好きよ」
「え??」

サクラちゃんは俺の心を読み取ったかの様に言った。

「多分…友達としての好きもあると思う。でも、ナルトはサスケ君を憧れの友達以上の目でいつの間にか見てるのよ」

「………」



否定出来なかった。
言ってる意味は低能な俺にはイマイチ理解出来なかったけど、多分サクラちゃんの言った事は合ってる。


「じゃぁ俺…サスケの事愛してるの?」

サクラちゃんでは無く、
サスケを。

「さぁね…でも、サスケ君の事、好きでしょう?あたしよりも、イルカ先生よりも…」


「…うん。大好き」


だからかな。
サスケを連れ戻せなくて、悔しくて悔しくて、寂しくて、
初めて愛しいって言葉を知って、
病院で毎晩泣いていたのは。




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