立海
□メガ<ギガ<テラ<ペタ
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「愛しとう、名前」
「うん」
「本当に愛しとう」
「うん、あたしもだよ」
横にいる彼女はにこにこしながら言う。
あああああ可愛いくて仕方なか。
でもきっと食べてもえぇ?って訊いたら、食べちゃダメ☆
って言われそう。
でもでもすごく食べたい。
「名前、愛しとう」
「んー、どれくらい?」
「メガくらい」
「えー…。すごいいちょっとじゃん」
「名前はどれくらい?」
「あたしギガくらい」
この間情報の授業で習ったことを言い合えばまた可愛く笑う。
なんじゃ、この可愛い生物。
名前類名前目じゃろ、学名。
「少なかー、俺テラぜよ」
「えー、あたしは……。あれ?次なんだっけ?」
「俺への愛はテラ止まり?」
「違うー!えーっと、なんだっけ!あれだよー!あれ!」
本気で悩む名前。
あぁ、見とるだけで癒される…。
「あー!ペタだ!!」
『コラ!苗字!!授業中だぞ!』
「あ、ごめんなさーい!!」
真っ赤な顔で謝る名前にクラスが爆笑の渦に呑まれる。
……あんまり可愛い名前を見て欲しくなか。
『ったく!!お前は真面目に授業受ける気あるのか!?』
「だってー…、ペタだったんですよ…」
『何だ、ペタって!』
「ペタはペタぜよ、先生」
『また仁王絡みか!大体なぁ…!』
「先生、ごめんなさい。ちゃんと授業受けるから許して下さい」
ぺこっ、と頭を下げた名前に賛同するかのようにクラスがざわめく。
だから俺の名前を見るんじゃなかって、何回言わすんじゃ。
『次はないからな!いいな!?』
「ありがとうございます、先生」
ほんに言い逃れが上手くなったの。
さすが俺の彼女。
「怒られちゃったー」
「しょうがなか。あの先生には俺達の愛の大きさが判っとらんきに」
「ねー、あたし、雅治のことペタ愛してる」
「俺もペタ愛しとるよ」
俺達が再び怒られるまで、後三秒。
(結局雑用押し付けられちゃったね)
(まぁ、名前と一緒なら何でもよか)
(あたしも。ね、ゲーセンでプリ撮ってこ)
(ちゅープリならいいぜよ)
(じゃあちゅープリ撮る)
ペタじゃ足りんな、これじゃ。
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