Gift&Present
□お休みをあげよう(鰤/十番隊)
1ページ/8ページ
1:会議は有効に
十番隊隊舎内某所某日――
そこは、重苦しい顔で集まった隊士達で溢れていた。
「…そうすると、間違いないんだな?」
並べられた机の上座を陣取った男が問う。
「はい。他の隊士にも確認しました。書類上は問題ないとされていますが…」
下座に立った男が、手に持った書類をめくりながら報告する。
集まっているのは、十番隊の隊長副隊長を除く席官のほとんどだ。
そして、掲げられた議題の解決案が、間もなく可決されようとしていた。
「…これに異義ある者は?」
上座にいるのは三席だ。
全員が黙り込むのを見渡して、男は深く頷く。
「では、今回の案は……」
お休みをあげよう
「…休暇?」
突然の三席の言葉に、日番谷は書類を捌く手を止めた。
松本は現在、女性死神協会の会議に出席中だ。
「休暇なんかいらねえよ。俺より、取れてないやつもいるだろう?そっちに回してやってくれ」
あっさりと返ってきた言葉は、悲しくなるほど予想と違わぬものだった。
「お言葉ですが、日番谷隊長……最後に休みを取られたのはいつか、ご存知ですか?」
「最後に?あれは確か………」
松本が絶対に二人で休むのだとわがままを言って、半ば流される形で一日休みを取った。
休まなきゃ重要書類を破いて燃やしてやる!と喚く彼女の声が蘇る。
それは確か…
「ふた月前です!」
力を込めて言う三席に、日番谷は首を傾げる。
「そうだったか?」
「はい!そこでですね、私達が話し合って…」
三席の話に気圧されるように、日番谷は頷くのだった。
.