BOOK3

□アーチャー推参!
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登場シーン(緑アーチャー)


――声が 聞こえた。


「お嬢!頼む!俺の声が届いてるなら目を開けてくれ!」

それは、覚えがある/聞こえるはずのない声で。

それは 懐かしい/遠くて近い声だ。

「くそっ…!このままじゃ届かない…!目ェ開けろって!いつもみたいな寝坊助じゃシャレにならねーっつーの!!頼むから!」


――その輝きを知っている。その声を知っている。

失われた喉に、衰えた腕に力を入れる。


「あの時みたく――俺を呼んでくれ!マスターッ!!」


そう、彼の名は―――








アーチャー、その格好は

「あ?あぁ、なんか気づいたらこんな格好にさせられちまってさ。俺みたいなイケメンは何着ても似合わないことはないけど?さすがに突然の衣装チェンジには戸惑うよなぁ、お互い」

サーヴァントが待つ教室に入れば、そこにいたのは聖杯戦争を共にした相棒、アーチャーだった。しかしその出で立ちは自分が知るものとは少し違っていて…

「見た目の変化だけだったらともかく、コレ能力を制限させる機能付きみたいで、言っておくけど、着心地は最悪なんだぜ?」

そう言ってアーチャーは己の格好を見渡していた。見慣れない彼の格好に仕草にこちらも弱冠ではあるが落ち着かない

迷彩柄に包まれた忍者を思わせるが忍ぶ気ないんじゃない?と思わせる衣装だった。口布で普段なら見えるはずの表情が隠されているのを見るとミステリアスな魅力も感じた

これはアレである。蒼天疾駆とかの四文字熟語が似合いそうな出で立ちだ

顔は自分が見知った相棒であるというのに衣装が変わっただけで、浮かれた気分になってしまうとは。

コスプレ…否、衣装とは実に重要な装備である。

「お嬢、聞いてる?俺に見惚れるのはいーけど、しっかりしてくだせーよ」

はっ。そうだった。改めてちゃんと言わなくては。

ありがとう、アーチャー。

「…いえいえ。当然のことをしたまでだって。むしろあっちにいるときに助けてやれなくて悪かったわ」

アーチャーの手が伸びてきた。そしてそっと撫でられていると自覚したときにまた改めてアーチャーの格好に戸惑ってしまう。

無機質な小手が触れているし、口元は隠されている分、その瞳はとても優しいものだったから。

「…お嬢が気に入ったのは分かるけど、俺としては抑えられてる能力の遅れを一刻でも早く取り戻したいからな。よろしく頼んますよ、マスター」

悩ましいため息をつかれながら注意され、はいと頷く。こちらに迷う間もなく頷かせる魔力が発生しているとみた。

これは早々にアーチャーの衣装チェンジが必要だ――。

そう思いながらもどこかもったいないかも――と思う自分を否定出来ないのが本音であった。


end


みどちゃさんには某戦国忍者の格好をしていただきましたー^^色つながりで!
普通の忍者服でもアリですね^^

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