いろいろブック

□普通極めて何が悪い
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人生“普通”が一番である。中学、高校、大学、就職。どの行程を経てもいいし、どういう結果になろうともそれが“普通”で平凡であればそれは安全で平和だ

私の人生、高校までは平凡で“普通”だった。それがいけなかったんだろう

“普通”にこだわった所為で、求め過ぎた所為で、私はとんでもない輩に目をつけられ、挙句の果てにはとんでもなく巫山戯た職業に就くことになってしまったのだから



「“普通”番長!スカーフ発見したっス!至急、会議室集合っスよ!」

「……うす」

「あれ?!なんか元気ないっスね…?体調でも悪いんスか?」

「…過去を振り返っていたら、なんだかとても悲しくなってきた」

「過去を振り返る?…ああ!反省は大事っスよね!俺も見習わせてもらうっス!」

「…ヤスの空気読めないところ、可愛いよね」

「え?!な、何を突然!って、空気読めないって何なんスかーー!」

「おい!遅ぇぞ!何してやがる!」

「ツンデレ番長!」

そう。私は“普通番長”として任命されてしまった。え?誰にって?

「君の意見がないとまとまるもんもまとまらないんだからさ。それに唯一の紅一点だし?よく顔を見せてよ」

「貴重な女性の意見は尊重すべきだね。君の“普通”にはそうであってそうではないのだから」

「爽やかに登場出来なくて遅れてたのかい?そんなことしなくても僕に言ってくれればいつでも爽やかな登場を演出してあげるよ!」

「フツーちゃんがいないとつまんないよー!早く早く!」

番長見習いのヤス、ツンデレ番長、セクシー番長、ミステリアス番長、さわやか番長、プリティ番長…

何でも番長の前につくのがその人の属性らしく…その番長協会で定められた規律というか、設定は言葉では説明しきれない

そして、

「おーい!お前ら、いつまで騒いでんだよ!?会議室になんで誰も来ねぇ…って、なんだ?フツーを囲んで何してやがる?」

レ・ン・ア・イ・番長。彼が私の“普通”をこじらせ“普通”を極めさせた張本人である

「この瞬間にも恋に悩むエンジェルが枕を涙で濡らしてるかもしれないんだぜ?お前ら、遊んでないでさっさと…」

「あー、ダメだ。腹立つ。ちょっと、恋愛番長、一発でいいからちょっと殴らせてくれないかな」

「お、おい!?お前、“普通”から逸脱してるぞ!落ち着け!クールダウンだ!」

何がクールダウンなのだろう。思い出してもむかむかしてくる。“普通”じゃないこんなことになっているのに“普通”を私に求めてくるこの男は全ての原因なのだ

「お、落ち着いて!フツーちゃん!」

「お前が暴れ出すと止めづらいんだ!落ち着け!」

プリティ番長とツンデレ番長に拘束される。私、何か悪いことしただろうか

「まぁまぁ。彼女の暴走は今に始まったことじゃないだろう?その怒りもちょっと興味深いなぁ…」

「いやいや、言ってる場合?色々溜め込んで損してそうだもんねぇ。我慢せずに発散しちゃえばいいのに。どう?今夜あたり俺がスッキリさせてあげようか?」

「火に油注ぐようなこと言うな!」

「爽やかが一番だよ!BOYSたち呼ぶ?」

常識人の少ない番長に囲まれて、私は思う。どこで道を間違えたらこんなことになってしまうのか

普通だったはずの人生は普通を極めて普通でなくなってしまった

「あの!すみません!みなさん!緊急事態が…」

でも

「七色のスカーフが屋上に…この場合、どうしたら…」

「決まってるだろ!それだけその乙女の抱えている問題は大きいってことだ!俺たちが動かないで誰が動く!」

誰かのために奔走する彼らは輝いて見えて、そこに自分も必要だと知る

自分の“普通”が誰かを救える手助けになると知ってしまったから

「全員でいくぞ!」

「…しょうがないなあ」

私は番長をやめられないでいるのであった



end


短いですが、中々楽しませて頂いたので公式主人公≠で名づけてふつう番長主人公の出来上がり。
番長だから一応名無しさんで。
おそらく恋愛番長と同級生?で腐れ縁。
普通にこだわった主人公に目をつけた恋愛番長がこっち側に引っ張り込んじゃったかんじ。
普通だからみんなの相談役に適していてサポート番長と影で呼ばれてたりする。
番長みんなとは基本的に仲良くはやっている感じ。

自己満でした!

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