ノベルゲーム

□十月桜〜プロローグ〜




「えっと…君がこのマントをかけてくれたの…?」



俺がそう問いかけると
少年は答えの変わりに
ふにゃっとした笑みを浮かべた


「(か、かわ…いい…)」


なんて、高校生の男子に
言う言葉では無いと思うが
確実に彼には一番相応しい
言葉では無いかと思う。


「ありがとう…ねぇ、君…名前…何て言うの…?」


「…私はジョットだ…そう言う
お前は何と言う名前なんだ…?」


ジョットか…やっぱり
外国人なんだね…

それにしては日本語ペラペラ
だし…外国で生まれてこっちで
育ったのかな…?


「俺は沢田綱吉。

一応、今日からこの学校の生徒だよ」


「ふむ…今日から生徒の綱吉が
ここに居ると言う事は…
つまり…所謂サボタージュだな?

…安心しろ、私も同じだ」


ジョットはクスクス…と笑うと
人差し指で俺の頬を突っついた。


「そっか、じゃあジョットも
入学式サボっちゃったんだ」


「あぁ…だからまだ新しい
クラスも出席番号も
さっぱり分からんのだ…」


「じゃあ、そろそろ行こうか。
新しいクラスを確認しに」


「怒られる事は決定的だがな」
2人でひとしきり笑うと
俺たちはその場を後にした。

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