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□キリリク
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「なぁ比呂士、休み時間ぐらい休もうぜぃ」

「あと少しで終わりますから…」


さっきからそればっか。

授業で習うんだから別に予習する必要ないと思うんだけど、紳士は真面目すぎ。

つまんないつまんないつまんない。


「終わった?」

「もう少…」

「それ聞き飽きた、はいそこまでー」

「あ」


教科書を没収すると比呂士は何するんですかって顔で俺を見た。

前に仁王が柳生に怒られるの好きって言ってたけどちょっとわかるかも。


「丸井君」

「勉強ばっかやってたら疲れるだろぃ?これ美味いから騙されたと思って食ってみて」

「仕方ないのぅ…なら一個だけ」


比呂士の前に出した箱に伸びてきた手はチョコを摘んですぐに引っ込んだ。

視線を比呂士の横にずらす。


「なんじゃアーモンドか、俺はマカダミアのほうが好きなんじゃけど」

「お前の好みとかどうでもいいんだけど、なんでちゃっかり座ってんの?」

「柳生、あーん」

「いや聞けよ、てか何してんだよマジでさ」


もう一個摘んだチョコを比呂士の口に近付けてる仁王の頭を殴って止めさせた。


「丸井君、ありがとうございます」

「当然のことしただけだから」

「人のこと殴っといてカッコつけんなや」


復活した仁王が睨んできたけど全然気にしない、だって比呂士に感謝されたから。


「で、なんで居座ってるわけ?」

「抜け駆けは卑怯ぜよ」

「いつも抜け駆けしてんのはどっちだよ」

「プリッ」


比呂士がまた勉強しだして暇になったから仕方なく仁王の相手をする、俺ってほんと優しい。


「なぁ、前から思ってたんだけどそれ何」

「宇宙語」

「なんていうかすごい痛いぜ」

「ピヨピヨッ」

「日本語に訳して」

「黙れこの豚野郎」

「その喧嘩買った」


立ち上がってお互いの胸倉をつかみ合う。


「いい加減にしたまえ!」


まさに今から殴り合いの死闘が繰り広げられるってときだった。

ゆっくりと俺と仁王が顔を向けると比呂士がこれでは勉強に集中できませんって顔で俺達を見た。


「喧嘩なら余所でやってください、私の邪魔をするのなら許しませんよ」

「「ゴメンナサイ」」


((やっぱり、怒られるの好きかも…。))




End



4900>りり様へ

大変遅くなってすみません、ほんとすみません!←

しかもこんなふざけたノリにっ、お気に召されなかったら遠慮なく突き返してください苦情も受付ますm(__)m

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