贈り物
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ある昼下がりの午後、美しく凛とした声が葉の耳へ届いた。
「…葉、デートしようか」
それは疑問ではなく確定の意である。
嗚呼、なんて唐突。流石未来王とでも言えばいいのか。
「…は?」
ぽかーん…とした表情で目が点になっている葉。そしてそれを微笑ましく見続けるハオ。………なんて奇怪な光景。
葉は最近住みついた小型犬の野良犬と戯れるのを止め、ハオに聞き返す。
「…ハオ?何をいきなり……」
「葉に拒否権はないからね」
きっぱりすっぱり切り捨てると、ハオは葉の手を(無理矢理)取り、見目麗しいその笑顔でこう告げた。
「さぁ、行こう」
((きっとその笑顔ならマリア様にでも勝てる筈))