約束
□one
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*相談と計画*
襲「部屋に戻ってきたはいいけど・・・どうする?」
暁「ん、何が?」
さっきの出来事を忘れている御様子。
襲「さっきオレ等のどっちかを殺すって話してたじゃねぇか」
暁「ぁー…そういえばそんなこともあったような気がしないでもない」
襲「まぁいいや。…で、これからどうするかって話」
沈黙が続く。
暁「・・なぁ、襲」
襲「・・ん?」
暁「・・・・あくまで俺の考えだけど、多分殺されるまでには多少時間があるんじゃねえか?」
襲「・・・理由は」
暁「今俺等のどちらかが居なくなったら父上や母上も探すだろう?」
襲「あぁ」
暁「だから、だ」
襲「・・ナルホド。オレ等のどちらかが居なくなったとすれば国に影響が出るってか」
基本的に、この国では成人したら(つまり二十歳を過ぎたら)自由だ。
成人したら自由。
聞こえはいいが、それを逆に取ると
【成人するまで自由じゃない】
となる。
つまり、成人するまで見張られているということ。
その理由はこの王国の科学進歩の点にある。
この国は他国と比べ技術がかなり進歩している。
それはもう、異常といえるくらいに。
何故こんなにも進歩しているのか。
それは
生まれたばかりの赤ん坊に特別な薬を注入しているから。
その薬はHSI≠ニ呼ばれ(名前の由来は誰にも分からない)、効果は「20年間だけ脳の働きを通常の何百倍にも活性化させる」というもの。
これが王国内で一般的にいわれていること。
しかし、この文には続きがある。
王族にのみ伝えられている文章が。