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□まうんど
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最初は地面にかいただけのピッチャープレート
俺はそこから始まった
一番俺が俺でいられる場所
一番好きな場所
誰からか教わった訳でもないけど
「ここは譲るな」
譲りたくない
心の中で俺が強がってる
土を盛った"マウンド"
阿部君が盛ったマウンド
そこからゴールは阿部君のミット
「ナイスボール!三橋!!」
右耳を通り越して左耳からも元気な田島君の声がする
「調子はどうだ?」
阿部君が話かけてきた
「今日は……いいよ!」
「次の回も頼むぞ」
阿部君と花井君に言われた
監督も褒めてくれた
僕は一人じゃないの?
マウンドでは一人だけど
マウンドの回りにはみんながいる
阿部君がいる
阿部君…
俺も阿部君が
好き。