□やみよ
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「……ごめん」



謝罪の言葉さえ虚しく響く








"ごめん"という三文字は一時的な感情からくるもの







同時に"ごめん"の原因も一時的な感情からくるもの









歯止めが効かない









『重症』



今の俺にはそんな言葉がぴったりくる








君の瞳が揺らぐ








俺を見て怯えてる








いつもは怯えることなく、白球を追う瞳





その瞳はどんな球でも見抜き、打ち返す







「打てなかった球はない」





君は言った







じゃあ俺は?








君の傷も、涙も、何もかもを



美しいと感じとってしまう俺







俺があげた傷、涙、そして血








グラウンドと此処では別人の君







毎回毎回君が抵抗するから








今日もあげるよ








元気なんだろ…グラウンドでは







俺の前でも






元気に抵抗してみせろ




いや、死ぬまで






俺の手の中という場所





君は地獄と呟いた





辛いなら…苦しいなら…







抵抗してみせろ









そして











俺があげるものを素直に受けとれ


















→謝罪
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