Little Love Story
□繋がり合う二人の想い
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カンカンカンカン…
鉄板で出来た階段を、一定のリズムで軽快に鳴らす音が響く。
とその時、
「……ヤベェっ!!!!」
急ぎ過ぎたせいか、残りの数段を踏み外し尻餅を突きそうになった。
元は運動神経の良い銀時は、直ぐさま体制をなおす。
がしかし、勢いがつき過ぎていた為、つんのめったまま足が止まってくれない。
急な下り傾斜を走り出した状態…と言えば通じるだろうか。
「うぉっ、ちょっ、みんなどけてっ!!!!」
止まれず人ゴミの中へ突っ込んで行きそうになる自分…。
回りからは俺を見て逃げる様な黄色い声が聞こえる…。
不思議だよな…転ぶ瞬間って…なんであんなにゆっくりなんだろう…
そんな事を悠長に考えながら、地面に顔面からスライディングしていく様に、体が浮いた瞬間……
急に目の前に真っ黒い壁が遮って……
受け止められた………
「……っテェ…」
何とか、顔面スライディングは避けられたものの、その黒い壁に勢いよく突っ込み、表情を歪めながらズキズキする頭を撫でていると、黒い壁から苦しそうな呻きと咳込みが零れた。
「ゴホッ…ゴホ……ゲホッ…」
嫌な予感が止まらない。
…やっちまったよ…
逃げようか…今ならまだバレてネェかもしれねぇし…
現実逃避をしながら、恐る恐る顔を上げて見ると…
まさにそこには真っ黒の鬼がいた……
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