変わらぬ日々

□珠紀編
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珠紀と拓磨は、少し離れた森の中にいた。


「此処まで来ればいいだろ!」


拓磨が止まり、アインの方へ構える。

そして、アインの姿が見えたと同時に攻撃を仕掛ける。


「ガハッ!」


しかし、それはいとも簡単に交わされる。

体制の崩れた拓磨に向かってアインは重い拳をねじ込む。


「拓磨!」


珠紀は倒れる拓磨に呼び掛ける。


「くっ。平気、だ。半端ない威力だな……。」


よろけながらも立ち上がる拓磨。

鬼斬丸の力を取り込んだアインは恐ろしい程に強くなっていた。


「……玉依姫がいなくなれば、私は自由だ。」


冷静に思える彼でさえ、鬼斬丸に侵されている。
本能が唯一自分を止められる珠紀を殺そうとしているのだ。


「待て!!お前の相手は俺だろーがっ!」


彼が向けるその殺意を拓磨は自分に逸らす。

珠紀を守るために……。








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