変わらぬ日々

□珠紀編
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戦う事を楽しむアインはまた拓磨に向かう。

アインの攻撃を拓磨は防ぐ事が出来ない。

速すぎるのだ。


「こんな……!一方的過ぎるよ!!」


あまりにも酷すぎる光景に珠紀は涙を流す。


「っ!珠紀っ!」


唖然とする珠紀にアインは攻撃を仕掛けようとしていた。


それに気付いた拓磨は、思わず身をていして庇っていた。


「た…くま?」


彼女の目の前で彼は崩れ落ちていく。


「いやぁ!拓磨、拓磨!目を開けてよ!!」


必死に呼びかけても拓磨は動かない。


「拓磨…。(お願い…!私が玉依姫なら、拓磨を助けてっ!)」


強い思いを込めて珠紀は拓磨にキスをした。

唇を通して、自分の中の力が伝わっていく感覚。

次に珠紀が目を開けると拓磨は優しい笑顔で佇んでいた。


「ありがとな、珠紀。」

彼の頭からは二本の角。
髪は長く伸び、体には紋様のようなものが浮かび上がっていた。


それは、彼の覚醒を表していた。








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