Story

□日常がババ〜ン!
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「さーあみんな、お待ちかねデビッドアドベンチャーの時間だぁー!!」



元気がいいを通り越した、うるさい声がストンストンバレーに響き渡る。


『デビッドアドベンチャー』と言えば、一部に狂信的なファンを持つなかなかの人気番組である。
今回、始まりの雰囲気こそいつも通りの力強いデビッドものだが、実のところ声はかなり震えている。
というのも、現在ストンストンバレーには前例のないほど冷たい風が吹き渡っているのである。


「タイチョー、厚着した方がいいっすよ」
「毛皮もカイロもありますよ、無理しないでくださいねー」
「バカ!このデビッドがこれしきでへこたれるワケが…ぃえぇっぶしぃっ!」

デビッドのクシャミと同時に、ヘッドホン越しにそれを聞いたヘンリーがのけぞる。
スタンレーはレンズに飛び散ったつばを拭こうとしたが3秒とたたない内に凍りついてしまい、拭くに拭けなくなった。

「これで256回目すよ…いい加減オレの耳も限界です…」
「さっきまではこんなに早くなかったのに…気温かなり下がってますよ、今日はあきらめませんかー?」


2人の声はうんざりしているが、もちろんデビッドが聞く耳を持つはずがない。


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