◎タカラモノ
□510さんより文
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お返しの意味
3月14日。
あたしは自宅の門でソワソワしていた。
「…今日が何の日か知らない、なんてことはないだろうし。師匠と修行、は先週行ったばかりのはずだし。うーん」
来ないなぁ。
そんな時、
「おはようっす」
「今日も地球の平和は僕の手によって守られた!」
「おはよう。ねむの木くんと御辞儀草くん」
偶然2人が通りかかった。
「キミは知っているか?ホワイトデーのお返しの意味を!」
「いや、知らないけど…なにそれ」
ちなみに挨拶した瞬間、ねむの木くんは夢の世界へ旅立って行った。
しかし御辞儀草くんはスルーしている。
慣れてるなー。
「マシュマロだと『付き合えません』飴だと『あなたが好き』っていう意味らしいよ?
まだ来てないみたいだけど、飴だといいね…そしていい加減起きろ!キミ!」
「ふぁー?」
「町中にのさばる悪の手先から逃れるんだ!早く!」
ズドドド…と言いそうな勢いで、2人は遠ざかっていった。
若いね。
「♪ふん〜ふふ、ふ」
鼻歌で気を紛らわしてみる。
しばらく歌って、持ち歌が切れはじめたころ。
「あっ、いたいた!」
その声に、笑顔で振り向こうか、いや待たせたんだから怒り気味に?とかちょっと悩んで。
そんな悩みは、視界に写った姿で吹っ切れた。
「え、あああアメ?!」
「もしかして待ってました?うわあ御免なさい。これでも急いだんですけど「ありがとう」――っえ?」
「これ、バレンタインのお返しでしょ?」
「はい」
「まさかマシュマロじゃないよね?」
「え、アメですよ。あと花も買ってきちゃいました」
ラベンダーさんに似合いそうな花を、選んでみたんです。
とちょっと自慢げに語るハルジー君の姿を見ていたら。いつの間にか笑顔になっていた。
「喜んでもらえると嬉しいなって」
「うん、嬉しい。部屋に飾るね」
「? アメはちゃんと食べてくださいよ?」
何か勘違いされていた。
「違うってば。花の方」
「あー!そっちでしたか。アメが多すぎたかと思って焦っちゃいました」
「多くないよ?」
「そうですか」
ホッとしている様子の所に、小声で言ってみる。
「来年も、期待してる」
「!!」
しばらく2人して照れてしまって、挙動不審になったのはココだけの話。
ホワイトデーのイラストに文をつけてもらいました!
やっほい!
またリア充ですね!祝ってやんよ←
ありがとうございました!