◎タカラモノ

□あめよさんから文章
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※反転注意
反転蒲公英と通常椿ちゃん




「これはなんですかはずかしい」
「やっちまったぜぃ」
「これはなんですか」
「やっちゃったねー」
「これはなんですかと問うているのです! なんなのですかこれは! この格好は!!」
「私がやりました」
 てへぺろ(・ω<)と悪びれた様子もなくのたまった少女の頬を迷いなく引っ叩いた私に罪はない。
 つい反射で手が出てしまったが、どうせなら何とか抑えて相手せずにおけばよかった。頬を張られて悦び罵声を浴びせられて息を荒げるこの少女には、放置プレイというものが一番堪えるらしい。いや、放置プレイでは駄目だ、完全な放置でなければ更に図に乗る。
「蒲公英さま。わたくしはねむっていたはずです」
「うん、寝てた」
「きちんと、襦袢をきていたはずです」
「うん、着てた」
「なのになんなのですかこの格好は!」
 ばん! と彼女と向かい合った形で挟んでいる机を叩く。
 ただ、寝て、起きた。それだけだった。それだけだったはずなのに、私の今現在の格好、それはまさしく逆作画崩壊で視聴者を唖然とさせたあのアニメのキャラクターそのものだった。
 着慣れない洋服の短い丈に、太腿まで覆うストッキング。隙間からのぞく腿は細白く、己の体ながら健康的ではないその様に情けなくなる。
「なんていうかぁ、好奇心? ほら椿ちゃんちょーかわいー☆」
「おだまりなさい痴女!!」
 わざとらしい作った声に苛立ち、腹立たしいほどに可愛らしい花のかんばせを引っ叩く。
 先のアニメのメインキャラクターは、金髪と黒髪の姉妹である。黒髪の妹が私なら、目の前の金髪の少女は姉役なわけで。
「……」
「いてっ、無言で叩くのやめろよ!」
 少女の抗議の声を無視して、さらにもう一発くらわせる。いい加減どころか理不尽に殴られている時点で充分ブチキレてもいいと思うのだが、我慢強いというか趣味が悪いというか、この少女に怒られたことは一度もない。
 それはさておいても、この配役。色を合わせたといってしまえばそれまでだが、妙に含みを感じる。何がとは言わない、わかりきっている。わかりやすすぎるほどにわかりきっている。
「…………」
 ぶーぶーと文句をたれる少女と、私自身の体を視線で往復する。
 少女にあって、私にないもの。
「――っ」
「だから痛いって!!」
 本当にほんとうに、腹立たしい。






以前書いたパンストパロに文をつけていただきました!
女でも蒲公英は椿ちゃんに叩かれるのが好きです!←
夢は泣かないで!(夢と胸って発音的に似てるよね)。
ありがとうございました!


           
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