フェアリーテイル「Short」

□アンタのせい
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あの夜から一週間が経とうとしていた。

"チュンチュン"と小鳥の鳴き声が聞こえる清々しい朝。


あたしは、まだベッドの中で毛布に包まっていた。


まだ…眠い…


寝返りをうった、その時


「おはよう、ルーシィ」


うっすらと目を開ければ、爽やかスマイルのロキが居た。


数秒の沈黙後、反対を向き布団に潜り込む。


「…お、おやすみ」


最近、毎日のように勝手に出てきてはあたしを起こしに来る

毎日、会えるのは…う、嬉しいけど。
寝起きはやめてほしい。




「なら、僕も一緒に寝ようかな?」



なんて言いながら、布団の中に入り込んできた。あたしを後ろから抱きしめる形で…。



ちょっ、ちょっと!何してるのこいつっ!!!?



あたしは慌てて飛び起きた


一緒に寝るわけないじゃない!
あたしの心臓がもたないから!?



「あれ?起きるのかい?」

明白に残念がないでよ…。



あたしはベッドから出て着替えを取り出し彼を見る。あんたが居たら着替えられないわ。と言う眼差しを向けて。


「あぁ!ゴメンね、ルーシィ。僕…手伝おうか?」


な!何バカな事いってるのかしら!!?

あたしが戸惑っているとロキは「冗談だよ。そこはツッコんでくれなきゃ、ルーシィ。」と笑った



「っ!あたし、脱衣場で着替えてくるっ!!!」


笑って言うロキにドキドキと胸が高鳴り、急いで脱衣場に駆け込んだ


洗面台の鏡にうつる自分の顔を見ると、頬が火照っているのがよく分かった


どうしよう…まともにあいつを見れない…。


ずっとこうしているのも変に思われる、そう思い早々と着替えを済ませて出てくるとロキ以外にもいた



「よぉ!ルーシィ」
「おはよう、ルーシィ。やはり此処は居心地がイイ部屋だな。」
「なんで、ロキがいるんだよ。」


上からナツ、エルザ、グレイ

「エルザ達が勝手に入ってきちゃったんだよ」


そして、ロキ



"あんたが人の事言えるの?それより止めなさいよ!"


とツッコミたい


「それもそうだな…何故、ロキが早朝からルーシィの部屋にいるのだ?」
「もしかして、お前ら〜。」


あ、まさか…ナツにバレる?



「お前ら、二人で枕殴りしてただろ!オレもまぜろー!!」



へ?

やっぱり、ナツはナツね…。


「枕殴りはしてないよ。ナツ」

「あんたも答えなくていいから…て言うか!ツッコミなさいよ!!」


訂正もしないロキにツッコミを入れてしまった


でも、ナツ達が気づいてないようでよかったわ。
何か…秘密の恋愛してるみたい。


「早くギルド行こうぜ!」
「それもそうだな。私たちは外で待っているぞ、ルーシィ」

グレイ、エルザ、ナツは次々に窓や玄関から出ていった



相変わらずの皆に思わず笑みが零れる

さて、あたしも行こうかな?


玄関から出ようとするとロキが腕を掴んできた

「ルーシィ」

掴まれた腕がロキの方に引き寄せられ、彼に抱きしめられていた

自分よりも背の高い彼の顔を見上げる、ロキの手が顎に添えられた途端唇に温かく柔らかなものが触れる



っ!!!?



そっと距離をとる
彼からの口づけだったことに気づいた


体温が上昇してくる…
どうしよう、ロキの顔…見れないよ。


頬を染めて俯く、すると上から
「また、後でね?ルーシィ」


彼は星霊界に戻っていった


どうしてくれるのよっ!!
このままじゃ、皆のところに行けないじゃないっ!!







fin

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